第305回 三崎談話会
第305回の「三崎談話会」の開催が決まりましたのでご連絡いたします。今回は対面とオンラインのハイブリッドでの開催を予定しております。参加ご希望の方は、下記のGoogleフォームでご回答下さい。zoom URL等の情報が返信されます。皆様のご参加をお待ちしております。
日時:2024年7月2日(火) 13:00〜
場所:東京大学三崎臨海実験所 教育棟講義室/zoomのハイブリッド開催
参加申込:https://forms.gle/B2Z7AiET1qLkqze46 【締切:前日(7/1)17:00】
動物は如何にして中枢神経系を獲得したのか?
―脳獲得前後の動物の解析からの考察と今後の展望―
中村 遼
(岡山大学理学部附属牛窓臨海実験所・助教)
坂本 竜哉
(岡山大学理学部附属牛窓臨海実験所・教授/所長)
私たちヒトを含む左右相称動物は、脳に代表される発達した「中枢神経系(Central Nervous System (CNS))」を持つ。動物進化の初期に分岐した刺胞動物や有櫛動物は、体全体に網目上に分布した散在神経系を持つ。これがCNS獲得前の神経系と考えられるが、神経細胞(散在神経系)→CNS進化の初期進化プロセスはよくわかっていない。
左右相称動物に最も近い姉妹群とされる刺胞動物の口(咽頭)側では、全身の散在神経系とは区別できる神経細胞の集合体が観察される。一方、CNS獲得後の原始左右相称動物ないし原始後口動物である珍無腸動物は、血管や循環器系を欠く一方で、体の前方に明確な集中化した脳構造をもつ。私たちは、刺胞動物の口側に発達した「咽頭神経系(Pharyngeal Nervous System, PhNS)」、珍無腸動物で見られる脳構造「原始脳」に着目し、これらの神経系の分子基盤と機能の解明に取り組んでいる。刺胞動物PhNSの発生と機能から、CNS獲得前から、脊椎動物CNSの視床下部神経で恒常性維持に働く遺伝子の発現と機能の一部が保存されていることがわかってきた。本セミナーでは刺胞動物PhNSの解析から明らかになってきたことを中心に、牛窓臨海実験所でのこれまでのプロジェクト等(余裕があれば坂本が紹介)も踏まえ、CNS化が何に関連して進化してきたのか?、CNS獲得前から保存された分子基盤は左右相称動物でのCNS化プロセスへどのように組み込まれていったか?についてざっくばらんに議論したい。
お問い合わせ:
三崎臨海実験所 博士課程 千代田 創真(世話人:schiyoda@g.ecc.u-tokyo.ac.jp)
三崎臨海実験所 教授 三浦 徹(miu@mmbs.s.u-tokyo.ac.jp)
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【参加者】21名(オンライン8名、オンサイト13名)
※実際の参加者数を数えました