第303回 三崎談話会

第304回 三崎談話会

第304回の「三崎談話会」の開催が決まりましたのでご連絡いたします。今回は対面とオンラインのハイブリッドでの開催を予定しております。参加ご希望の方は、下記のGoogleフォームでご回答下さい。zoom URL等の情報が返信されます。皆様のご参加をお待ちしております。




日時:2024年5月29日(水) 15:30〜


場所:東京大学三崎臨海実験所 教育棟講義室/zoomのハイブリッド開催


懇親会:17:00〜(所内で開催予定。屋外の可能性あり。)


参加申込:https://forms.gle/H5PhdEuwKqR355gf6 【締切:前日(5/28)17:00】




「腕が増えても減っても縦横無尽に動き回る! ★棘皮動物「ウデ集団」の談話会★」


脇田 大輝


東京大学三崎臨海実験所・特任研究員/日本学術振興会特別研究員PD)


 なぜ動物は身体がさまざまな形態に進化しても、個体として統率のとれた運動能力を保ち続けられるのだろうか?クモヒトデ・ヒトデ・ウミシダはそれぞれ棘皮動物の別の綱に属するグループであり、その成体は身体の中央から「腕」を放射状に広げる。腕の本数は各系統で多様化しており、5本の種もいれば、50本以上の種もいる。個体発生においても、種によっては自切・分裂・再生を通して腕の数がめまぐるしく増減する。しかし、腕の数にかかわらず、彼らは複数の腕を運動器官としてうまく協調させて、這ったり、泳いだり、起き上がったりする。クモヒトデ・ヒトデの系統に対して、ウミシダの系統では支配的な神経系が異なるほか、固着性の祖先種では腕は積極的な運動器官ではなかったと推定される。つまり、腕の総数によらずに腕間を協調させて動き回る能力が、両系統で収斂したようだ。講演者の研究では、クモヒトデ・ヒトデ・ウミシダの運動解析によって腕どうしの協調パターンを明らかにするとともに、その協調パターンを生み出す共通則を数理モデリング・シミュレーションによって組み立てている。棘皮動物の放射相称の身体から見えてきたのは、「隣り合う腕どうしで直線的にコミュニケーションする腕の群れ」である。



お問い合わせ:

三崎臨海実験所 博士課程 千代田 創真(世話人:schiyoda@g.ecc.u-tokyo.ac.jp

三崎臨海実験所 教授 三浦 徹(miu@mmbs.s.u-tokyo.ac.jp