天の川銀河研究会2025
Milky Way Galaxy Workshop 2025 (MWGW25)
Milky Way Galaxy Workshop 2025 (MWGW25)
名 称:天の川銀河研究会2025 (MilkyWay Galaxy Workshop 2025)
日 時:2025/11/26 (水) 午前10時-- 11/28 (金) 午後3時頃
会 場:鹿児島大学 郡元キャンパス 理学部1号館2階大会議室モート講演のハイブリッド形式 (hybrid style
言 語:日本語、ときどき、英語
参加費:500円(現地参加者のみ。お茶菓子代として徴収)
懇親会:11/27 (木)
規 模:現地 80名程度(オンラインを含め100名以上)
「天の川銀河研究会」は、観測対象・波長・手法の違いによって分断されがちな研究コミュニティを、「天の川銀河」という共通のキーワードのもとに横断的につなぐことを目的として、定期的に開催している研究会です。
天の川銀河は、我々の太陽系を内包し、あらゆる観測手法と理論モデルを駆使して最も詳細に研究できる銀河です。その構造と進化を多面的に理解することは、現代天文学における根幹的課題の一つであり、とりわけ近傍宇宙論の立場から銀河形成論を検証できる数少ない機会を提供します。また、太陽系の形成環境や初期進化との接続が可能であることから、宇宙論的スケールから惑星系形成に至る過程を一つの枠組みで捉える、学際的な研究領域としても注目されています。
近年は、位置天文観測衛星Gaiaによる広域かつ高精度な星の運動学データに加え、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラHSCや、2025年に運用が始まった超広視野多天体分光器PFSによる深測光・多天体分光観測、さらにJWST(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)による高赤方偏移宇宙における天の川銀河の祖先像の探究など、観測的研究が急速に進展しています。加えて、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計ALMAやX線分光撮像衛星XRISMなどによる多波長観測を通じて、星間ガスやハローガス/銀河周辺ガスの温度・密度・金属量などの物理・化学的性質の理解が進み、星間物質の進化や星形成過程の解明も飛躍的に進展しています。
一方、いて座矮小銀河や大マゼラン雲といった衛星銀河との重力的相互作用が、天の川銀河の動力学構造や星形成活動に与える影響にも関心が高まっています。これら衛星銀河の星形成史や化学進化を明らかにする試みは、天の川銀河との共進化の理解にとって重要な手がかりを提供します。また、アンドロメダ銀河M31やさんかく座銀河M33など、局所銀河群に属する近傍銀河を対象とした銀河考古学的研究も進展しており、異なる進化経路をたどった銀河との比較を通じて、天の川銀河の形成史をより客観的かつ相対的に捉える視点が得られつつあります。
これらの観測成果と連動して、動力学・化学進化・星形成過程を統合的に扱う大規模理論シミュレーションに加え、観測データに基づくデータ駆動型アプローチも著しく発展しており、天の川銀河の構造と進化史を理論的に再構築・検証するための枠組みが着実に整いつつあります。さらに、元素合成や銀河化学進化の観点から太陽系の起源を探る学際的研究も活発化しており、太陽系の誕生位置やその後の軌道移動、初期太陽系における短寿命放射性同位体の起源、そしてそれを取り巻く星間環境の理解に向けて、新たな展開が広がっています。また、ブラックホールや中性子星といったコンパクト天体を、Gaiaの位置天文データに基づいて重力的に探査する手法にも注目が集まっており、2026年12月に公開予定のGaia DR4では、これまで観測が困難だった暗く重い天体の検出と性質の解明が大きく進展すると期待されています。
今回の研究会では、こうした先端的な研究テーマに関する招待講演を通じて天の川銀河研究の最前線を俯瞰するとともに、観測・理論・シミュレーション・装置開発・データ解析など、あらゆる研究手法による一般講演を歓迎します。分野横断的な議論を通じて、天の川銀河の総合的理解に向けた学際的な連携がさらに深まることを期待しています。
千葉 凜平(東京大学)「天の川銀河の動力学進化」
小上 樹(国立天文台)「すばる/HSCとPFSで迫る局所銀河群の銀河考古学」
津久井 崇史(東京大学Kavli IPMU)「JWSTで探る天の川銀河の祖先」
小林 将人(ケルン大学→核融合研)「分子雲形成の銀河環境依存性とそれが示唆する銀河星形成モード」
柘植 紀節(岐阜大学)「多波長観測で探る星間媒質の進化」(11/26-27午前)
澤田 涼(東京大学)「超新星元素合成/初期太陽系の放射性同位体組成」
谷川 衝(福井県立大学)「Gaiaによる位置天文学的コンパクト天体探査」(11/26-27午前)
講演/参加申し込みフォーム(2025/8/29公開)
講演種別は必ずしもご希望に添えないことがあります。予めご了承いただけますと幸いです。
公開参加者リスト(随時更新)
2025年7月下旬 開催日時・場所の案内(1stサーキュラー)
2025年8月下旬 参加登録・講演申し込み開始(2ndサーキュラー)
2025年10月27日(月)午前9時 口頭講演申し込み〆切
2025年11月05日(水)午前9時 ポスター講演、懇親会申し込み締め切り
2025年11月25日(火)午前9時 オンライン参加登録〆切
馬場 淳一 (鹿児島大学/国立天文台)、村瀬 建 (岐阜大学)、谷口 大輔(東京都立大学)、服部 公平 (国立天文台)、松永 典之 (東京大学)、辻本 拓司 (国立天文台)、和田 桂一 (鹿児島大学)、鹿児島大学 天の川銀河研究センター (AGARC)
milkywaykagoshima2017 -at- gmail.com ← (注) 2017になっていますが、これで正しいです。
天の川銀河研究会2024、2024/3/6-8、鹿児島大学 [WEB]
天の川銀河研究会2022、2022/11/7-9、鹿児島大学 [WEB]
天の川銀河研究会2020、2020/2/13-15、鹿児島大学 [WEB]
天の川銀河研究会2017、2017/10/24-26、鹿児島大学 [WEB]
天の川銀河研究会2015、2015/3/23-24、東京大学 [WEB]
天の川銀河研究会2012 〜広域サーベイに基づく最新の描像〜、2012/9/6-8、鹿児島大学 [WEB]
銀河系研究会2009 〜銀河系外縁部のサイエンス〜、2009/3/2-4、鹿児島大学
銀河系研究会2006、2006/2/20-22、国立天文台三鷹キャンパス