🔹 鍼治療とは
鍼治療は、極めて細い金属製の鍼を皮膚・筋肉に刺すことで、身体の神経・筋・血流の反応を引き起こし、痛みや不調を改善する治療法です。
主に「運動器疾患(筋肉や関節の痛み)」や「神経系の調整」、「自律神経症状の改善」に用いられます。
🔸 鍼治療の主な作用メカニズム
1. 末梢神経刺激による鎮痛効果
鍼が皮膚・筋膜・筋肉にある感覚神経や固有受容器を刺激します。
その情報は脊髄を介して脳に伝わり、「ゲートコントロール理論」により痛みが抑制されます。
2. 内因性鎮痛物質の分泌
鍼刺激により、脳内でエンドルフィン、セロトニン、ノルアドレナリンなどの鎮痛物質が放出されます。
これにより、慢性痛やストレス関連の症状が緩和されます。
3. 局所の血流改善
鍼刺激により血管を調節する交感神経が変化し、局所の血管が拡張。血流が増加します。
酸素・栄養が行き渡りやすくなり、筋緊張の改善や回復促進につながります。
4. 筋・筋膜の緊張緩和
鍼が直接筋肉内のトリガーポイントや過緊張部位を刺激し、反射的に筋収縮が緩みます。
痛みの原因となる筋の拘縮や、しびれを引き起こす神経圧迫の軽減に役立ちます。
5. 自律神経の調整
鍼刺激は交感神経・副交感神経のバランスに影響し、自律神経の過活動を正常化する効果があります。
これにより、不眠、胃腸の不調、慢性疲労などが改善されることもあります。
🔸 鍼治療で対応できる主な症状
頚椎症、肩こり、四十肩、五十肩、胸郭出口症候群
腰痛、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、筋・筋膜性腰痛、ぎっくり腰、坐骨神経痛
肉離れ、膝痛
めまい、耳鳴り、緊張性頭痛、片頭痛、眼精疲労
不眠、動悸、胃腸の不快感、ストレス性の体調不良、起立性調節障害、イライラ、慢性疲労症候群
など
🔸 鍼治療の安全性と注意点
鍼はディスポーザブル(使い捨て)を使用し、感染リスクは極めて低いです。
副作用は少ないですが、軽度の内出血や倦怠感が一時的に出ることがあります。
心臓ペースメーカー装着者には、通電を伴う施術は避ける必要があります。
🔸 まとめ
鍼治療は、神経・筋肉・血流に科学的に作用し、痛みや機能障害を改善する低侵襲かつ効果的な物理療法です。
リハビリや現代医学の補完療法としても位置づけられており、整形外科・ペインクリニック・スポーツ医療の分野でも広く活用されています。