通常は台本があって、それを役者が読み、覚えて、演じたものが演劇作品になります。しかし「架空のプレ稽古」には台本がないので、役者は与えられた設定から即興で話を始め、シーンを組み立てていきます。そうやって作られたシーンの録音データをテープ起こしの要領で文字にしたもの……プロセスとしては通常の台本→演劇のちょうど反対の工程になります……が、この「逆算台本」です。
動作に関するト書きなど、ところどころエチュード内容とは異なる部分があるかもしれません。そもそも、話し言葉を完璧に文字起こしすることは不可能なので、たとえばニュアンスを損なわない範囲での間投詞(「あ、」「え、」「いや、」など)は全体の40%以上省いて書いていますし、後から聞き返して明らかに前後のつじつまが合っていない部分や、あまりにも冗長になりすぎた部分は削るなど、最小限のテキストレジーも施してあります。また、Google翻訳で日本語→英語→日本語とブリッジさせた文章が元の日本語から微妙に乖離してしまうのと同じように、逆算台本をどのような演出で上演したとしても、あの日あの時のプレ稽古で生み出された偶然の鮮度を再現することはできません。
それでも、エチュードによって紡がれたストーリーの「棋譜」として、アーカイブの意味も込めて公開することにしました。
砂の上の湿った火薬 (Ver.20160410)
GALAPAGOS FINCH (Ver.20160717)
町は静かになりたかった (Ver.20160718)
砂の上の湿った火薬 (Ver.20180503)