宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 准教授
木星氷衛星探査機(JUICE)搭載ガニメデレーザ高度計(GALA)日本チームプロジェクトマネージャー
系外惑星大気赤外線分光サーベイ衛星(Ariel)JAXAチーム長
キーワード:宇宙における生命、系外惑星、氷衛星、惑星探査、宇宙機用装置開発、国際協力、プロジェクト推進
研究内容
探査機による太陽系探査と宇宙望遠鏡による系外惑星科学の両分野で活動する。根底にある科学目標は宇宙における生命(例:氷衛星の地下海、系外惑星における生命兆候、宇宙生命そのもの探究等)。宇宙用装置開発およびプロジェクト推進により新しい科学研究を目指す(例:宇宙望遠鏡、GALA、Ariel、その他の宇宙機搭載科学機器の開発)。
参加者へ
私の研究活動は、テーマも手法も複数の分野にまたがっていて、バラバラに見えるかもしれません。しかし、根底の科学目標は宇宙における生命であり、そのため宇宙機用装置開発・プロジェクト推進を行うスタイルには一貫性があります。今回の講演では、系外惑星をターゲットにした宇宙望遠鏡と技術についてお話しします。他のテーマについては、また別の機会に。この辺りの分野のガチ勢を目指したい方は(そうでない方も)、ぜひお気軽にお声かけください。
(向かって右が深井先生)
経歴:
2019年 東京工業大学 地球惑星科学系 博士課程修了
2019年 東京大学 JSPS PD
2020年 JAXAプロジェクト研究員
2022年 宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 特任助教
現職ではJAXA地球外物質研究グループを併任し、はやぶさ2・OSIRIS-REx・MMXプロジェクトに従事しつつ、将来のサンプルリターンミッションの検討リードを行っています。
キーワード:地球化学・サンプルリターン・隕石
Links:ホームページ ・ Researchmap
研究内容
地球化学とは、天然で起きる物質循環を通して原子核やイオンの挙動を理解する学問といわれます。私は特に恒星でつくられる重元素の原子核の多様性に心惹かれ、それらが保存されている小惑星由来の物質を研究しています。元素や同位体を「道具」として使うこともありますが、天然の道具に使いやすさを求めてはいけません。あくまで天然で何が起きているかを真摯に見つめることが重要と考えています。
参加者へ
地球化学者として、アストロバイオロジーはずっと気になっていたお隣の分野です。地球外物質のキュレーターとしては、サンプルを使った科学が今後発展していくであろう注目すべき業界です。知識を蓄えるだけでなく、刺激的なアイディアを持ち帰りましょう。
経歴:
1993年 東京理科大学理学部第一部応用化学科 卒業
1996年 学習院大学理学部化学科修士課程 卒業
1999年 学習院大学理学部化学科博士課程 卒業
1999年~2000年 学習院大学 理学部 化学科 助手
2000年~2001年 東京工業大学 地球惑星科学科
ベンチャービジネスラボ研究員
2001年~2004年9月 アリゾナ大学地球科学科
(海外特別研究員、JSPS特別研究員)
2004年10月~2006年1月 東京大学
アイソトープ総合研究センター(JSPS特別研究員)
2005年4月~2006年1月 明治大学 理工学部 非常勤講師
2006年2月~2009年1月 NASAジョンソンスペースセンター ポスドク
2009年2月~2011年1月 NASAジョンソンスペースセンター&Lunar and Planetary Institute 研究員
2011年2月~2023年3月 海洋研究開発機構 高知コア研究所 同位体地球化学グループ 主任研究員
2023年4月~現在 同 物質科学研究グループ 主任研究員
キーワード:
2次イオン質量分析法・始原隕石・軽元素同位体・初期太陽系
研究内容
小惑星の形成史、年代、太陽系の起源物質を知るため、NanoSIMS(超高解像度2次イオン質量分析装置)を用いて隕石など惑星物質の分析研究を主として行っています。最近は、質量分析以外の分析手法(放射光や電子顕微鏡、分光分析など)と組み合わせ、同一試料から多くのデータをとる工夫を仲間と行なっています。得られた分析データをAIプログラムで解析、統合をするなど、解析技術の高度化も合わせて進めています。
参加者へ
宇宙地球科学、アストロバイオロジーは、より複雑な学術体系へと進化しています。それと向き合うには、多様な学術知識(背景)の方との連携が必要です。参加者の皆さんが、いま勉強していることをおろそかにせず、自分のものにして、この分野に飛び込んできてください。僕たちは、あなた方を待っています。
「宇宙化学・地球化学に魅せられて:小沼直樹」を読んで、いつの時代でも研究(者)は熱いことを感じてほしいです。
経歴:
2004 - 2008 神戸大学理学部地球惑星科学科 (現惑星科学科)
2008 - 2010 北海道大学大学院理学研究院 (修士)
2010 - 2013 北海道大学大学院理学研究院 (博士)
2013 - 2015 (国) 物質・材料研究機構 (ポスドク研究員)
2015 - 2016 (国) 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所
(宇宙航空プロジェクト研究員)
2016 - 2020 九州大学惑星微量有機化合物研究センター (特任助教)
2020 - 現在 名古屋大学大学院環境学研究科 (助教)
キーワード:
宇宙化学、小惑星、隕石、有機物、質量分析
研究内容
宇宙空間は様々な有機物に溢れています。地球外試料には多種多様な有機物が含まれており,初期太陽系における小天体上における物質進化の記録が保存されています。私は,隕石や小惑星試料の観察・化学分析,また,実験室での模擬実験をもとに,特に鉱物と有機物の関係に着目して地球外有機物の化学進化過程の解明を目指した研究を行っています。
参加者へ
私はもともとブラックホールなど星の形成に関する観測やシミュレーションに関心があったのですが,学部生の講義で隕石研究に触れ,一気にその魅力に引き込まれ,いつの間にか研究の道に進んでいました。私自身は隕石などの地球外試料を扱っていますが,アストロバイオロジーは様々な分野の境界領域で,非常に魅力的な学問です。皆さんが今抱いている興味・関心に少しでもつながるようなお話が出来ればと思っていますので,熱量溢れるこのキャンプをぜひ楽しんでください。
経歴:
2012 東京大学大学院博士課程修了
2012 - 2016 東京大学 大気海洋研究所 特任研究員
2016 - 2018 ジョージア工科大学 地球大気科学部(米)
NASAポストドクトラルプログラムフェロー
2018 - 2022 東邦大学 理学部 講師
2022 - 現在 東京工業大学 理学院 准教授
キーワード:
地球システム科学・生物地球化学・バイオシグネチャー
惑星環境と生命の共進化
Links:ホームページ
研究内容
太陽系外惑星の生命存在指標(バイオシグネチャー)として有力視されている惑星の大気組成について理論的研究を行っています。特に最近の研究は、地球を対象として酸素(O2)やメタン(CH4)、二酸化炭素(CO2)の大気中濃度が生命活動とどのように関わり合いながら変化してきたのかを解明することを目指しています。具体的な専門としては生物地球化学のモデリングです。
参加者へ
地球に生命が存在している以上、「なぜ・どのように生命が発生したのか」という問いには必ず答えがあるはずです。さらに、「生命を宿す星とはどのようなものであり、どのように”進化”するものなのか」という問いにも答えがあるはずです。しかし、これらの答えは一つではないかもしれません。このイベントに参加する皆さんとのディスカッションを通してこれらの問題に対して新しいアイデアが生まれることを大いに期待しています。
代表的な論文
・Ozaki, K. and Reinhard, C. T. (2021). The future lifespan of Earth's oxygenated atmosphere. Nature Geoscience, 14, 138—142.
[Link] [プレスリリース @東邦大]
・Ozaki, K., Tajika, E., Hong, P. K., Nakagawa, Y., and Reinhard, C. T. (2018). Effects of primitive photosynthesis on Earth's early climate system. Nature Geoscience, 11: 55—59.