経歴
1988年4月 - 1990年3月 東京大学, 教養学部理科I類
1990年4月 - 1992年3月 東京大学, 理学部化学科
1992年4月 - 1997年3月 東京大学, 大学院理学系研究科, 化学専攻
1997年4月 - 1998年3月 日本学術振興会 特別研究員(PD)
1998年4月 - 2000年3月 広島大学理学部 助手
2000年4月 - 2000年12月 広島大学大学院理学研究科 助手
2000年12月 - 2007年3月 広島大学大学院理学研究科 助教授
2007年4月 - 2009年3月 広島大学, 大学院理学研究科, 准教授(名称変更)
2009年4月 - 2014年5月 広島大学大学院理学研究科, 教授
2014年6月 - 現在 東京大学大学院理学系研究科, 教授
2021年4月 - 現在 東京大学, アイソトープ総合センター, センター長
研究キーワード: 宇宙地球化学, 環境化学, 放射化学, 大気化学
Links: Researchmap
研究内容
私は元々化学科の出身で、元素がどんな状態(化学状態)で水や大気や固体の中で存在しているかに純粋な興味を持っていました。そして、その化学状態に依存して元素の挙動が変わる沢山の例を知るにつれて、原子分子レベルの化学情報と元素サイクルや物質循環などのマクロな現象の関係を調べる研究(=「分子地球化学」)に惹きつけられていきました。その際に重要だったのは、X線吸収微細構造(XAFS)法という極めて有効な化学種解析ツールに出会い、そのエキスパートになったことです。このXAFSを使った分子地球化学は、主題は化学素過程の解明であり、あらゆる化学過程に関係をするので、それを基にアストロバイオロジーのような「人類の夢を追求する分野」と、環境・気候・資源などの「安全安心や役に立つ分野」の両方について研究することができます。色々なテーマをやることは「節操がない」といって嫌われる要素でもあるのですが(?)、それがあらゆる元素のサイクルを扱う(分子)地球化学の魅力です。まあ人生は一回ですから、何でも楽しみつつ色々なことに貢献していきましょう。チャレンジあるのみ!です。
参加者へのメッセージ
皆さんアストロバイオロジーにご関心がある方々なので自明だとは思うのですが、地球の歴史46億年を1年に例えると、人間が生まれたのは大晦日の夕方16時です。また私たちの人生は、この時間スケールでは約1秒です。ですので、このような奇跡の果ての果てに生まれた皆さんなので、その一瞬の生を最大限に生かし、小さなことにはくよくよせず、様々なことにチャレンジして欲しいと思います。
もう1つ言いたいことは、時間軸を反対にして、地球の将来がどうなるかという問題です。どんな分野の人でもこの問題からは避けられそうにないので、それに自分や人類がどう対応していくかは、誰もが考えないといけないことだと思います。
それらの課題の中で大事なこととして、科学の基礎的分野で自分が得意なものを作って欲しいと思います(私なら化学)。それがあれば、アストロバイオロジーのような「人類の夢を開拓する分野」と「地球や人間の将来を救う分野」の両方で将来的に何らかの貢献ができ、素晴らしい人生が送れるのではと思います。
経歴
2009 早稲田大学 理工学部 電気情報生命工学科 卒業 学士(工学)
2011 早稲田大学大学院 先進理工学研究科 電気情報生命工学専攻 修士課程 修了 修士(理学)
2012-2014 日本学術振興会特別研究員(DC2)
2014 東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 修了 博士(学術)
2014 理化学研究所 基礎科学特別研究員
2014-2023 東京大学 総合文化研究科 広域科学専攻 助教
2017-2019 東京大学 卓越研究員
2019-2020 Ludwig-Maximilians-Universität München, Munich, Germany Visiting Professor
2024 東京工業大学 地球生命研究所 特任准教授
2024- 東京科学大学 地球生命研究所 特任准教授
研究キーワード: システム生物学、生物物理学、普遍生物学、複雑系科学
Links: ホームページ, Researhmap
研究内容
生命システムの普遍的な性質について、物理や数学的な手法を用いて、主に理論的な研究をしています。普遍的というのは、現存する生物だけでなく、起源的な生物や、あるいは地球外生物など、どのような生物においても成り立つということです。そのような普遍的な性質を明らかにすることは、生命というものを理解し、人類の生命観を更新するために重要でしょう。また、起源的な生命を再構成したり、あるいは地球外の天体から生命の痕跡を探したりという、アストロバイオロジーの研究にとっても重要だと考えています。
最近は、生命システムが環境変化に対する変わりにくさ(頑健性)と変わりやすさ(可塑性)をどのように両立しているのかや、生物がその複雑性をどのように進化させていくかという問題に興味を持っています。
参加者へのメッセージ
生物の研究というと、普通は実験をメインとした研究を想像すると思います。理論で生物の研究をするといっても、何をやっているのか、なかなか想像し難いのではないでしょうか。実際に私もそうで、最初に研究を始めた修士の時は、シアノバクテリアを用いて実験研究をしていました。しかし、博士で理論物理学の研究室に移り、理論的な手法や考え方を身につけていく中で、自分の世界がどんどん広がっていく感覚を持ったのを覚えています。
私の話が、皆さんが世界を拡げるためのきっかけの一つとなれば幸いです。
経歴
2005 東北大学理学部宇宙物理学科 卒業
2007 東北大学理学研究科地球物理学専攻 修士課程 修了
2010 東北大学理学研究科地球物理学専攻 博士課程 修了
2010-2012 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 プロジェクト研究員
2014 ハーバードスミソニアン天体物理学センター 訪問研究員(兼任)
2012-2015 日本学術振興会 特別研究員(PD) 宇宙科学研究所
2015-2018 理化学研究所 仁科加速器研究センター 基礎科学特別研究員
2018-2021 東北大学 学際科学フロンティア研究所 助教
2020-2021 東北大学ディスティングイッシュトリサーチャー
2021- 東京理科大学 理学部第一部 物理学科 准教授
研究キーワード: 惑星圏物理学, 木星, 土星, 氷衛星, 火星, 水星, 系外惑星, 月, 宇宙空間, 大気, 内部海, 生命の起源, ひさき, JUICE, LAPYUTA, BepiColombo
Links: 研究室ホームページ, Researchmap, Xアカウント
研究内容
広い宇宙の中で、惑星と衛星が成す系は、生命を育む環境が発生する可能性が最も高いと考えられます。
私の研究室では、「惑星と衛星がなす系を、生命環境として理解する。」というビジョンのもと、惑星−衛星系を生命環境として捉え、その構成要素である宇宙・大気・海洋・天体内部の物理化学過程を解明しようとしています。
研究手法は、室内実験、直接探査、遠隔観測、データ科学、理論を総動員しています。
これを通して「地球以外の天体に生命環境は存在しうるのか?」「あるとしたらどのように発生し、維持されるのか?」という大きな問いに答えることを目指します。
参加者へのメッセージ
KACは宇宙や生命をキーワードとした分野横断型の合宿で、大変面白そうで一般参加者としてぜひとも参加したいとおもっていました。しかし、残念ながらオジサンなので年齢制限に引っかかり泣く泣く参加を諦めていました。
今回は講師としてご招待いただきまして本当に光栄ですし、ようやく参加できるので非常に楽しみにしています。
私はプロパーなアストロバイオロジストではないですが、惑星圏物理学という分野に立脚して他分野の皆さんと協力して宇宙と生命環境の相互作用を明らかにしようとしています。当日は分野や立場を飛び越えて、宇宙と生命の関わりについて自由に議論しましょう。
経歴
2004年3月 東京工業大学大学院 生命理工学研究科 生物プロセス専攻 博士課程修了
2004年4月 - 2006年10月産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 生物資源情報基盤研究グループ
2006年11月 - 2010年3月独立行政法人 海洋研究開発機構 高知コア研究所, 地下生命圏研究グループ, 研究員 (博士(工学))
2010年4月 - 2014年3月独立行政法人 海洋研究開発機構 高知コア研究所, 地下生命圏研究グループ, 主任研究員 (博士(工学))
2014年4月 - 2015年3月独立行政法人 海洋研究開発機構 高知コア研究所, 地球深部生命研究グループ, 主任研究員
2015年4月 - 2019年3月国立研究開発法人 海洋研究開発機構 高知コア研究所, 地球深部生命研究グループ, 主任研究員
2019年4月 - 2023年9月国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門 高知コア研究所 地球微生物学研究グループ, 主任研究員
2022年4月 - 2024年3月広島大学大学院, 先進理工系科学研究科 先進理工系科学専攻 地球惑星システム学プログラム, 客員准教授
2023年4月 - 現在 高知大学大学院, 大学院総合人間自然科学研究科 (博士課程)黒潮圏総合科学専攻, 客員教授
2023年10月 - 現在 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門 高知コア研究所, 上席研究員
2024年4月 - 現在 広島大学大学院, 先進理工系科学研究科 先進理工系科学専攻 地球惑星システム学プログラム, 客員教授
研究キーワード: 高感度・高精度微生物代謝解析, 海洋掘削, 微生物生態学, 地球微生物学
Links: Researchmap
研究内容
広大な海には必ず底があります。その海の底の下にある泥や石の地層で暮らす小さな生き物、微生物が僕の研究ターゲットです。
この文を書いているいまは、地球深部探査船「ちきゅう」に乗船し、メタンハイドレートの中にすむ微生物を探そうとしています。
人間が入り込むことができない地層世界でたくましく生きる微生物の研究を通じて、生命のすむ果てを探しています。
参加者へのメッセージ
海底下の厳しい環境を生き抜く微生物の研究をしていると、生き物が生きていることがすごく不思議に感じられます。
生きていることだけでなく、身の回りには不思議なことがたくさんありますが、スルーしていることがほとんどです。当たり前と思わず、様々なことを不思議だな、と思って考える、こういう習慣をつけてみると日々の生活がもっと楽しいものになると思います。