課題講演として以下のテーマが提案されております。
発表をご希望の方は,7月30日 (火) までに,企画代表者の方に連絡を取ってお申し込みください。
企画者より課題講演に採択された講演者は,申込みフォームから大会参加申込みを行ってください。
(T-1) 「湖沼深水層生態学(Hypolimnion ecology)の進撃」
代表者:中野伸一(京都大学生態学研究センター)
連絡先:nakano(at)ecology.kyoto-u.ac.jp
(※ (at) は @ に置き換えて下さい)
趣旨 ----------------------------------------------------------------------------------
湖沼の植物プランクトンは、光合成の中間代謝物や自己の分解物として溶存態有機物(DOM)を排出する。DOMは、細菌による利用を通じるなどして、さまざまな化学物質へと変換される。また、DOMを利用して生産された細菌のバイオマスは、微生物ループを通じて原生生物の餌資源となる、あるいはDaphniaやワムシなど細菌を利用可能な動物プランクトンに摂食されることにより、より高次の食物連鎖へとつながる。
従来、DOMに端を発する物質循環の研究は光合成による有機物生産を起点としていることから、その研究のほとんどは太陽光が透過する光合成が活発な表水層において行われてきた。一方、湖沼の深水層は、太陽光が届かず、水温も低く、生物の現存量・生産が低いために、多くの研究者の注目を受けることが無かった。2022年の陸水学会・兵庫大会において、我々は湖沼深水層の地球化学的および微生物生態学的過程を基軸とした「Hypolimnion ecology(湖沼深水層生態学)」を提唱し、これまで未解明な湖沼深水層における生態学の学術基盤を提唱した。また、この学術基盤の構築に当たり、琵琶湖をモデル湖沼として研究を加速させるための研究者連携であるLake Biwa Collaboration Group(LBCG)を立ち上げた。本課題講演では、「秘境生態系」とも言える湖沼深水層の地球化学的・微生物生態学的過程についてLBCGの立ち上げ以降の我々の研究成果を中心に成果を報告し、より多くの皆さまとの情報共有と将来の研究発展へ向けた議論を行いたい。
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(T-2) 「過剰繁茂する水草の処理・管理・利活用を通した湖沼生態系の持続的保全」
代表者・連絡先:伴 修平(滋賀県立大学) ban(at)ses.usp.ac.jp
佐藤伸二郎(創価大学)ssato(at)soka.ac.jp
石川可奈子(琵琶湖環境科学研究センター)ishikawa-k(at)lberi.jp
(※ (at) は @ に置き換えて下さい)
趣旨 ----------------------------------------------------------------------------------
近年、日本を含む世界各地で水草の過剰繁茂が環境問題を引き起こす事例は枚挙に暇がありません。元来、水草は湖沼環境になくてはならない要素の一つです。しかし、過剰繁茂することで、湖水の停滞と湖底付近の貧酸素化を招き、魚介類の斃死や湖底からの重金属溶出を招くことなどが危惧されています。我々は、この過剰繁茂した水草を適正に管理することで湖沼生態系を健全に保ち、刈り取った水草を利活用することで循環利用する「里湖循環型社会」を目指して研究を進めているところです。本企画講演においては、現在エチオピアのタナ湖で展開中のプロジェクト「ナイルの源流エチオピア・タナ湖で過剰繁茂する水草バイオマスの管理手法と有効利用プロセスの確立」を中心に、過剰繁茂する水草を適正管理する手法と刈り取った水草を有効活用する方法について議論したいと考えています。他の水域における類似の管理手法や水草の利活用、それらを通した湖沼環境保全に寄与する研究発表も歓迎いたします。
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【集会の題目】
日本陸水学会若手の会2024 “ライトニングトーク:ええかげんに語る陸水愛”
【企画者氏名・所属】
・鈴木碩通(東北大学)
・原直子(奈良女子大学)
【趣旨】
日本陸水学会若手の会(E会)では「学生やポスドクなどがセミナーを通じて交流しよう」という趣旨のもと、大会期間中に自由集会を開催し、熱い議論を繰り広げています。
今年度の若手の会では、昨年の大分大会に引き続き、研究室に入ったばかりの学部生から自称若手の皆さまにご参加いただき、1人3~5分程度のライトニングトークを実施いたします。
今回はE会という名の由来でもある「ええかげん」をテーマに、写真や動画などを使いながら、発表者ご自身の研究対象への愛や研究成果をざっくばらんに語っていただきます。
和気藹々とした雰囲気で気軽に交流ができる会にしていく予定です。まだ知り合いが少なく、若手同士の交流を持ちたいという学部生・院生の方、ご自身の研究対象への愛を語りたい方などどなたでも歓迎いたします。是非ご参加ください。
【参加見込み人数】
40名程度