活火山の阿蘇を擁することで“火の国”として知られる熊本ですが,同時に豊富清廉な地下水を誇る“水の国”でもあります。熊本地域と呼ばれる熊本市とその近郊域では,飲用水の100%を地下水で賄い,その水質は「蛇口をひねればミネラルウォーター(熊本市)」とまでに言われるほどです。何故そのような地下水資源が存在するのか?,どのように維持されてきたのか?,それにはこの地特有の気象や地質条件,古くからの人の営みが深く関わっています。一方で,地下水涵養域での都市化による地下水量の減少や有機フッ素化合物などによる水質の悪化,さらに今後はTSMCの進出に伴う半導体産業の活性化による影響が懸念されています。
本公開講演会では,熊本の特異な陸水環境・水循環が生み出す地下水の現状や課題,維持と保全に関わるこれまでとこれからの取り組みについて,地元の研究者や自治体,関連機関などから話題提供を賜ります。本講演会を通じて,参加された皆様が“水の国”熊本の理解を深められ,関心を抱いていただければとの思いで企画いたしました。多くの皆様の参加をお待ちしております。
2024年10月18日(金) 15:00-18:00(予定)[14:30 開場]
熊本大学黒髪南地区 工学部百周年記念館
一般市民,陸水学会会員
無料
日本陸水学会第88回熊本大会
熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター
川越保徳(熊本大学)
第一部 各パネリストによる講演
永田 努(熊本市水保全課 政策監)
「熊本市の市民・事業者・行政協働による地下水質保全対策について」
廣畑 昌章(熊本県環境生活部環境局環境保全課 課長)
「熊本県の地下水が抱える課題への対応について」
勝谷 仁雄(公益財団法人くまもと地下水財団 事務局長)
「熊本地域の持続的な地下水保全」
第二部 パネルディスカッション
パネリスト 永田 努 (熊本市水保全課 政策監)
廣畑 昌章(熊本県環境生活部環境局環境保全課 課長)
勝谷 仁雄(公益財団法人くまもと地下水財団 事務局長)
コーディネーター 川越保徳(熊本大学大学院先端科学研究部 教授)