2026年10月21日
ID定例ゼミ 開催報告
ID定例ゼミ 開催報告
日時:2026年10月21日(水)10:00-10:45
会場:オンライン(Zoom)
参加者数:11名
発表者:名知秀斗
テーマ:批判的思考を促す介入は、学習者の生成AIへの「依存の仕方」と創造性をどう変えるか
紹介した文献:Hou, C., Zhu, G., Liu, Y., Sudarshan, V., Chong, J. L. L., Zhang, F. Y., Tan, M. Y. H., & Ong, Y. S. (2026). The effects of critical thinking intervention on reliance behaviors, problem-solving quality, and creativity during human-Generative AI collaborative learning. Computers & Education, 247, 105576. https://doi.org/10.1016/j.compedu.2026.105576 (accessed 10/2/2026)
今回取り上げた文献は、人間と生成AIの協働学習において、批判的思考を促す介入が学習者の依存行動や課題成果(問題解決の質・創造性)に与える影響を検証した実証研究です。本研究では、批判的思考を育む3つの指導方略(真正の教授・対話・メンタリング)を組み入れた介入により、生成AIへの無思考な依存や出力の直接採用が減少する一方、学習者の産出物における創造性が有意に高まることを示しました。自己報告による批判的思考尺度には差が見られない一方で創造的成果が向上するという結果は、高次思考スキルの評価指標のあり方に一石を投じるものです。
ゼミの議論では、批判的思考と同時に創造的思考を育成・測定する先行研究の蓄積やアプローチについて深掘りされたほか、大学授業でいかに生成AIを活用させながらレポート課題を出させるかといった実践的な工夫が話題に上りました。さらに、本研究で用いられた意味的独創性やアイデア密度などの客観指標と人手評定を組み合わせた「創造性の評価方法」を、実際の教育現場や日本語の学習成果物にどう適用・展開できるかについても活発な意見交換が行われました。
(文責:名知 秀斗)