2026年1月27日
ID定例ゼミ
ID定例ゼミ
日時:2026年1月27日(火)13:30-14:15
会場:オンライン(Zoom)
参加者数:10名
発表者:根本淳子
テーマ:教育的アプローチによる学問的誠実性(AI)と学生エージェンシーの育成
紹介した論文:Developing Student Agency Towards Academic Integrity Through an Educative Approach: Exploring Students’ Experiences and Perspectives
本研究は、必修モジュールの受講、カリキュラムへの体系的な埋め込み、そして対話型学習を組み合わせた「包括的・教育的アプローチ」が、学生の学問的誠実性の理解およびエージェンシー(主体性)の育成にどのような効果をもつのかを検証したものです。対象は、オーストラリアの一大学におけるパスウェイ・ディプロマ課程の「基礎アカデミック・リテラシー」科目履修者であり、得られたデータは記述統計と主題分析を用いて分析された。
主要な結果として、学生は入学前オリエンテーションが学問的誠実性の学習に最も有用であったと回答しており、大学が提供する学問的誠実性に関する情報の明確さには概ね満足していた。一方で、違反処理の公平性については約25%が「不明」あるいは「同意しない」と回答しており、透明性向上の必要性が示唆された。また、学生は誠実・公正といった学問的誠実性の価値を、自身の個人的価値(例:粘り強さ)と結びつけて理解する傾向が見られ、学修や将来目標との関連付けを通じて価値を内面化していた。さらに、文献の要約・言い換えを行う個人的システムの構築や、教員・図書館スタッフへの積極的な相談など、能動的な学習戦略を自ら生み出している点も特徴的であった。加えて、学生からは罰則的な対応よりも、助言や「学び直し」の機会(例:AIMS)の提供を望む声が強く聞かれた。
ディスカッションでは、このような実践が重要であることを共通認識としたうえで、同様の取り組みが国内でされているのか、また初年次を中心とした活動として取り入れるならばどのような活動が考えられるか、また参加者の実践の中で関連する取り組みなどが紹介され、その発展について議論がなされました。
私自身もとても良い学びになりました。
(文責:根本 淳子)
詳細は勉強会のレジメをご参照ください。