2026年6月22日
ID定例ゼミ 開催報告
ID定例ゼミ 開催報告
日時:2026年6月22日(月)11:30-12:30
会場:オンライン(Zoom)
参加者数:8名
発表者:甲斐晶子
テーマ:Advanced instructional designって何でしょね?
紹介した論文:Sánchez-Romero, C., García-Vacas, C., Levterova, D., & Lazarov, A. (2026). Umbrella Review on Advanced Instructional Design in Distance Higher Education. Journal of Cultural Analysis and Social Change, 2558–2569.
https://doi.org/10.64753/jcasc.v11i1.4422
今回のテーマは「Advanced instructional designって何でしょね?」でした。SIG-IDではインストラクショナルデザインに関する研究動向を追っていますが、今回は遠隔高等教育における“Advanced”なインストラクショナルデザインを扱ったアンブレラレビューを取り上げました。本レビューでは、抽出された17報のレビュー論文から、6つの原則(①柔軟で適応的な設計、②能動的な学習戦略、③形成的・マルチモーダルなフィードバック、④拡張されたアクセシビリティ、⑤スマートな学習資源、⑥有効性と影響)が提示されています。
議論の中心となったのは、論文タイトルに含まれる“Advanced”が何を意味するのかという問いでした。生成AIや神経生理学の知見を活用した即時フィードバックや学習の個別化に関する研究が増える一方で、教員による個別的・共感的な支援や、多様な学習者への対応については、重要性こそ強調されているものの、実際の授業設計に落とし込むための具体的な方法や事例が不足していることが指摘されました。また、従来のIDが重視してきた学習目標の明確化や体系的な設計を基盤としつつ、公平性、包摂性、持続可能性、認知負荷、動機づけといった、より広範な学習目的や質までを設計に組み込む必要性と、その実現の難しさについて率直な話し合いが行われ、有意義な議論となりました。
(文責:甲斐 晶子)