世界エイズデーに寄せて
12月1日(水)は、「世界エイズデー」です
エイズのまん延防止とエイズへの差別と偏見の解消を目的に、1988年にWHO(世界保健機関)が制定した日です。
東京都では、11月17日(水)~12月15日(水)までをエイズ予防月間として、様々なイベントが開催されます。
そこでJHICも、メンバーの皆から寄せられた、HIV/AIDSに対するそれぞれのメッセージを紹介します。どうぞご覧下さい。
★また、エイズ予防月間の間は、JHICでは、皆さんからのご質問、ご相談など何でもお受けしてお答えします。どうぞ、メール(jhic.jpn@gmail.com)をお寄せください。お待ちしています。
コロナ禍だからこそHIVについて考える
コロナと生きることになって、来年で2年になります。HIVもコロナも、動物からヒトに移って病気を起こすウイルスです。しかし、コロナと違って、HIVはワクチンがまだ開発されていません。
この2年間のコロナ禍で、我々は「自分を守る、大事な相手を守る」ためにやるべきことについてしっかりと学んで、実践をするようになりました。マスクを着用する、手をよく洗う、消毒するなどは、もう無意識にやることになっています。
ですが、HIVに関しては残念ながらテレビなどでの、情報発信がありません。セクシュアリティに対する偏見などの影響でしょうか?
皆さん、「自分を守る、大事な相手を守る」ことについてもう一度自分の知識を確認し、自分自身の「自分らしいHIV対策」を作ってみませんか?
12月1日(水)は「世界エイズデー」です。この機会に是非、一緒に考えてみませんか?
(JHIC代表・Mete Yazici)
壁を打ち壊そう!
1980年代初めのアメリカで、ゲイ男性の中に奇妙な病気が見られるようになりました。HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染し、長い潜伏期間の後に発症する病気で、エイズと名付けられました。
1986、87年、日本でも初めて性感染によるエイズ患者が見付かりました。フィリピン人女性と日本人女性で、メディアによって、日本人女性は売春していたとデマを流されました。
同じ頃の日本では、輸入された血液から作られた「血液製剤」による感染もありました。「薬害エイズ」と呼ばれる事件です。
そのため日本では、HIVに対してこの3つの偏見が生まれました。「同性愛者の病気」「売春による病気」「陽性者の血液は怖い」です。
あなたは異性愛者だし、売春も買春もしたことがないからHIVは関係ない? いいえ、性体験がある人なら誰でも、自分には関係ないとは言えない病気です。
HIV陽性者の血液は危ないから、一緒に仕事したり遊んだりは出来ない? いいえ、HIVは日常生活の中で感染が広がることはありません。
あなたのHIVに対する思い込みや先入観の壁を打ち壊し、感染している人もそうでない人も、手を取り合って、共に生きる社会を作って行きましょう!
(JHIC事務局長・織部佳積)
イルミネーションが美しい季節ですね
きっと素敵なことがたくさんあるでしょう。もしかしたらSEXもするかも。大好きな人を守るため、お互いの身体を大切にするためには、最初からコンドームを使うことですね。コンビニかドラッグストアで買って持って行きましょう。
ロマンチックな夜に、安心してSEXが楽しめますように。
(HIV/AIDSヘルスアドバイザー・高橋れいこ)
今年もコロナ禍の世界AIDSデーになりました
さまざまなイベントがオンライン開催となり、人々が実際に集まって話し合うことができない今、このパンデミックを通して、いろいろ考える機会と捉えたらどうでしょうか。
例えば、オンラインで全国の人々が移動せずに話せる、海外にいる人とつながることができるのは良いことです。
コロナ以外の感染症についても、人々の意識が向上すると良いのですが、現実はどうでしょうか。
コロナに注意が向けられていて、HIV/AIDSのことは忘れ去られている、人々のHIV/AIDSに関する知識は足りないままだ、HIV/AIDSに対しての差別がなくなったのではない、などと耳にします。
感染拡大に歯止めがかからない頃、まだワクチン接種が広まっていない頃、コロナが怖くてHIV抗体検査に行けない、定期的に受けている診察に行けない、という声も聞きました。
コロナに感染した人を排除するように、HIVに感染した人を排除していないでしょうか。
ウイルスは目に見えないから、感染を予防する知識を持ち続けなければなりません。自分の身体も相手の身体も大切にしましょう。
性自認も性的指向も様々あることを理解して、人間は多様なんだと理解する、排除しない世界を作りましょう。
このパンデミックの今、HIV/AIDSについても考えてみましょう。
(HIV/AIDSヘルスアドバイザー・ひぽ)
検査を受けてみませんか?
ネットで「世界エイズデー」の記事を目にして、自分の身体を守るため、大好きな人のためにも、HIVの検査をしてみようかなって思われた方もいらっしゃるでしょう。でも、検査を受けるのは、勇気のいることですよね。
検査を受けるのに、後一歩の勇気が欲しい方、是非JHICにご相談ください。一緒に考えて、知識を得て、私たちと思いを共にして、どうぞ安心して検査を受けてください。
(HIV/AIDSヘルスアドバイザー・高橋れいこ)