日本HIV情報センターとは
【日本HIV情報センター(Japan HIV Information Center)とは】
日本HIV情報センターは、2019年に解散となったNPO「HIVと人権・情報センター」(以下、「旧JHC」と記す)で活動していたボランティアにより、2020年2月に結成されました。
旧JHCは1988年に大阪で、HIV/AIDSへの差別と偏見に苦しむ人々への支援のために創立されました。その後30年の長きに渡って、感染経路に区別を付けること無く、HIV当事者への支援、感染不安への相談、検査、予防啓発などの活動を続けていましたが、惜しくも解散となりました。
日本HIV情報センターは、旧JHC東京支部で活動に参加していたボランティア達が集まり、HIV/AIDSの問題はまだ終わっていない、これからもHIV/AIDSに関する活動を続けたいとの強い思いを共にして、結成に至りました。
旧JHCのノウハウを受け継ぐと共に、現在のHIV/AIDSを取り巻く状況に合わせてアップデートし、HIV/AIDSへの感染不安相談、HIV/AIDSに対する正しい情報提供と啓発を目的として活動を行っています。
★Mete Yazici(ヤズジ メテ) JHIC代表
1969年、トルコ生まれ。1995年から日本在住。トルコ語の他、英語、日本語に堪能。
本業は企業向けの研修講師、リーダーシップコーチング。
1997年に東京で初めてHIV検査を受けた際に、情報不足と検査の不便さに驚きました。いろいろな人がもっと気軽に検査が受けられないだろうかと、外国人としてできることを探し、2005年に旧JHCに参加。HIV/AIDS電話相談、HIV検査のカウンセリングなどを担当しました。
〔HIV/AIDSの相談〕
ボランティアとしての経験からわかったのは下記の点です:
●様々な人が暮らしている日本での多様性の大切さ
●悩んで誰にも話せない人への傾聴の力
●自分を守りたい人へのサポートの大切さ
★織部 佳積(おりべ かずみ) JHIC事務局長
1958年生まれ。アーティスト。www5d.biglobe.ne.jp/~oribe/
1990年代に、海外のアーティストが次々にAIDSで斃れて行く状況を知ることにより、HIV/AIDSの問題に関心を持つようになりました。
旧JHCでは10数年間ボランティアを続け、HIV/AIDS電話相談、HIV検査のカウンセリング、HIV啓発展示などを担当していました。
〔HIV/AIDSの相談〕
この10数年間、年代、ジェンダー、セクシュアリティなど多様な、また、恋愛からセックスワーク、タトゥーやピアシングまで、様々な立場の方々からの相談を傾聴させていただきました。その中で、いつも心がけていることが3つあります。
1) 自分の考えや価値観を押し付けない。
2)正しい知識と情報を提供するように努める。
3)検査を受けるか受けないか、予防をするかしないか、相談される方の意思を尊重する。
まだまだ道半ばではありますが、これからも、たくさんの人とHIV/AIDSや性感染症、性行動のあり方について、問題を共有して行きたいと思います。
★Dr.こば 顧問・医師
長年、ボランティアとして、都内の保健所等で行われる匿名HIV迅速検査に関わっています。
多くの人が、自分の心と体を大切にすることを願っています。
★高橋 れいこ HIV/AIDSヘルスアドバイザー
こんにちは。れいこと申します。どうぞよろしくお願いします。
わたしがHIV/AIDSの電話相談に関わったきっかけは、差別と偏見です。わたしは差別するのも、されるのも、偏見を持つのも、持たれるのも嫌です。どなたでもそうだと思います。
血友病の治療薬、血液製剤の中に入っていたHIVによって感染した赤瀬範保さんは、1988年、日本で初めて、自らエイズ患者であることをカミングアウトしました。夫がカミングアウトしたことで、赤瀬さんの妻(看護師)は、地元では仕事ができませんでした。そんな理不尽なことがあってはならないと憤りを感じ、私に出来ることがないかと探しました。
たまたま、「いのちの電話」のお知らせの中に旧JHCのエイズ電話相談員募集があり、応募しました。それ以来、HIV/AIDSの感染不安の相談を続けています。
相談内容の中には、感染が分かったら今の所に住めない、仕事場に知れたら辞めなければならない、だから怖くて検査に行けないし相談も出来ない、という不安の声が多くあります。そのために体調を崩し、どうしようもなくて、ネットで相談できる所を探して来られます。差別と偏見で悩む方は今もおられます。あなたは1人ではありません。是非、JHICのZoom相談にアクセスしてください。共に歩んで行きましょう。