大豆無培土狭畦栽培
大豆無培土狭畦栽培
一般的に大豆は、6月に条間70cmで播種をし、7月に中耕培土(ちゅうこうばいど)という作業をします。中耕培土は除草や倒伏防止などの効果がありますが、作業に多くの時間がかかります。
岩城農場は作業負荷軽減のため、大豆播種時の条間を狭くし中耕培土を行わない「無培土狭畦栽培」という方法で大豆を栽培しています。
2019年と2020年の2年間試験栽培を行い、ハイクリブームによる茎葉処理除草剤の効果や倒伏状況、収量の結果から条間を50cmに決定し、2021年から無培土狭畦栽培に全面移行しました。
この栽培技術は近隣農家より多くの問い合わせがあり、地域で普及が拡大しています。
【6月中旬~下旬】 基肥散布(オール14 20kg/10a 苦土タンカル 80kg/10a)
【6月中旬~下旬】 耕起(二条大麦収穫後に日数を置くと雑草が生えるため、早めに耕起する)
【6月中旬~下旬】 明渠作り
【6月中旬~下旬】 外周のみ耕起(明渠作りで内側に寄せられた土を均すため)
【6月下旬~7月上旬】 播種(条間50cm・播種量6kg/10a)
【6月下旬~7月上旬】 土壌処理剤散布(ラクサー乳剤 500mL・100L/10a ラウンドアップ 200mL・100L/10a)
【7月下旬】 除草剤散布(大豆バサグラン 150mL・100L/10a ポルト 250mL・100L/10a)
【8月上旬】 殺虫殺菌剤1回目
【8月下旬】 殺虫殺菌剤2回目
【11月下旬~12月下旬】 収穫
作業負荷の大きい中耕培土を省略することができる
中耕培土によって生じる畝がないため、薬剤散布や収穫がしやすい
中耕培土した場合と収量も品質も変わらない
50cmより広いと雑草が生えやすい
50cmより狭いと、大豆の木が伸びて倒伏しやすい、大豆が小粒になりやすい、生えてしまった雑草の除草時に条間を歩きにくい
10条の播種機(ニプロ製・作業幅240cm)のシャッターを一つ飛ばしで閉じて利用すると、種子ホッパー1つにつき1条で播種できる
大豆コンバインで3条刈りできる(条間70cmにすると2条刈りになる)
播種(6月下旬~7月上旬)
土壌処理剤散布(播種後3日以内に散布)
(ラクサー乳剤 600mL・100L/10a ラウンドアップマックスロード 200mL・100L/10a)
播種後6日目
除草剤散布(4葉期頃)
(大豆バサグラン 150mL・100L/10a ポルト 250mL・100L/10a)
播種後1カ月(7月下旬)
開花(8月上旬~中旬)
開花期の土壌表面
開花期追肥(8月中旬)
※2024年に初めて試験的に実施
・尿素 7kg/10a(2ほ場)
・オール14 10kg/10a(1ほ場)
8月は様々な病害虫が多発する
8月上旬と下旬に殺虫殺菌剤を2回散布
(8月上旬:マメハンミョウ・べと病
8月下旬:カメムシ・ヨトウムシ・紫斑病)
8月
9月
10月
11月
収穫(11月~12月)