環境保全型農業
環境保全型農業
近年の農業は、環境負荷軽減や食の安全安心の観点から、化学肥料・農薬の使用を抑える環境保全型農業が求められています。
岩城農場は強みであるスマート農業と組み合わせて、環境保全型農業を推進しています。
栃木県那須地区にて豆腐の残さや貝の殻などを利用して製造された食品リサイクル肥料です。主要成分は 窒素3.5% リン酸8.2% カリ0.63% で、CN比は6(鶏糞相当)です。毎年成分検査が行われていて安全性が確認できています。
有機肥料としては窒素成分が高く、固まりやすい性質があるため、農業用GNSSガイダンスシステムとブレンドキャスターという専用の散布機を使用して正確に散布しています。
本肥料を2023年から本格的に使用開始しました。2023年コシヒカリでは、本肥料を10aあたり250kg使用して、化学肥料の使用量を70%削減できました。収量も慣行栽培と同等以上の10aあたり594kgを達成しました。
食品リサイクル肥料
ブレンドキャスターでの散布の様子
岩城農場は水稲・二条大麦・大豆の3作を2年で輪作しています。単一作物を連作するよりも特定の雑草病害虫や連作障害が発生しにくくなり(減農薬に寄与)、かつ、次作の収量が向上(減化学肥料に寄与)します。輪作により一般的な栽培と比較して化学肥料半減・農薬半減で栽培する「特別栽培」が可能となりました。また、複数作物を栽培することにより、価格変動や災害被災のリスクを軽減できます。
輪作はメリットが多いことから、岩城農場では輪作を徹底して行っています。
食品リサイクル肥料、輪作、スマート農業を組み合わせることにより、一般的な栽培と比較して化学肥料50%以下・農薬50%以下で育てる「特別栽培米コシヒカリ」を実現しました。「特別栽培米コシヒカリ」は岩城農場ネットショップで販売しています。大田原市のふるさと納税返礼品にもなっています。農産物の環境負荷低減の取組みを見える化するラベル「みえるらべる」を栃木県第1号で2024年4月に取得しました。
近年は岩城農場の田んぼでタガメが、近くの小川でホタルが見られるようになりました。環境の改善が生物の多様性を生み出している現実を目の当たりにし、環境保全型農業の重要性を強く実感しています。
タガメ(2024年)
カモの卵(2023年)