Supported by JSPS Kakenhi, Kato Foundation for promotion of science, Iketani Science and Technology Foundation
Collaboration with 負熱膨張材料研究会
負熱膨張(Negative Thermal Expansion, NTE)材料は、加熱すると収縮するという通常の材料とは逆の特性を示す特殊な物質群です。この性質は、精密機器や光学部品など、温度変化による寸法変化を最小化したい分野で重要な役割を果たします。
Zr₂S P₂O₁₂は、ジルコニウム、リン、酸素を主成分とする結晶性化合物で、広い温度範囲にわたって顕著な負熱膨張を示します。この材料のNTE挙動は、フレームワークモデルと相転移モデルの2つのメカニズムを併せ持つ世界初の物質です。これにより、広い温度域と低い熱膨張率を両立を実現しています。
精密機器:温度変化による寸法誤差を抑制。
複合材料:正熱膨張材料と組み合わせて、熱膨張係数を制御。
光学・電子デバイス:高精度な位置決めや安定性が要求される部品。
Zr₂SP₂O₁₂は有望なNTE材料で、すでに民間企業から販売されています。今後は、ナノ構造制御や複合化技術の進展により、より広範な産業応用が期待されています。
Novel Crystalline Oxide May Solve the Problem of Overheating in Composite Materials
2021年1月5日
「温めると縮む」新たな負熱膨張材料を発見
2021年1月4日
本材料は三井金属より市販されております。商品としてのお問い合わせは、こちら(外部リンク)からお願いいたします。
図1. 温度とZr2SP2O12の格子体積の関係。温度が上昇すると格子体積が小さくなる。また、温度域によって収縮率が異なり、特にデバイスの熱破損が懸念される100-180℃程度巨大な負熱膨張を示す。
図2. 収縮のメカニズムを解析したところ、Zr2SP2O12を構成するZrO6八面体が大きく変形していることが明らかになった。
© Isobe Lab. All rights reserved.