地球温暖化の主要因である二酸化炭素(CO₂)の排出削減と固定化は、持続可能な社会の実現に向けた重要課題です。従来のCO₂回収技術は高コストやエネルギー負荷が問題視されていますが、海水を利用した電気化学的手法は、低環境負荷で効率的な固定化プロセスとして注目されています。
海水通電によるCO₂固定化は、海水中に溶解している炭酸種(HCO₃⁻、CO₃²⁻)を電気分解により変換し、固体炭酸塩として析出させるプロセスです。基本的な反応は以下の通りです。
陰極側:水素発生と同時にpHが上昇し、炭酸イオンがカルシウムやマグネシウムと反応して炭酸塩(CaCO₃、MgCO₃)を形成。
陽極側:酸素発生とともにpHが低下し、酸性化による副反応を抑制するための制御が必要。
このプロセスにより、CO₂は安定な固体鉱物として固定化され、長期的な炭素貯蔵が可能となります。
低環境負荷:海水を直接利用し、化学薬品の使用を最小化。
副産物の有効利用:生成した炭酸塩は建材や工業原料として再利用可能。
再生可能エネルギーとの親和性:太陽光や風力発電と組み合わせることで、持続可能なプロセスを構築。
電力コストの低減と電極材料の耐久性向上。
大規模化に向けた反応効率の最適化。
海水中の微量成分による電極劣化やスケーリング対策。
今後は、電気化学プロセスの改良や副産物の循環利用を含めたシステム設計により、海水通電によるCO₂固定化はカーボンニュートラル社会の実現に向けた有望な技術として期待されています。
特願2026-040495
© Isobe Lab. All rights reserved.