Concept by Prof. K. Okada
都市部ではコンクリートやアスファルトなど緻密な舗装材が日中に太陽熱を吸収し、夜間に放出することで気温が上昇するヒートアイランド現象が深刻化しています。これを抑制するには、表面温度の上昇を抑え、水分の蒸発による冷却効果を発揮できる材料が求められます。
ロータスセラミックスは、有機繊維を織り交ぜたセラミックペーストを押出成形し、焼成することで孔径が揃った貫通気孔(ロータス根のような構造)を持つ多孔質体です。気孔はマトリックス内の微細気孔と合わせて構成され、毛管力に基づく優れた揚水・蒸散性能を発揮します。
蒸散冷却:水を毛管力で吸い上げ、蒸発により表面温度の低下を実現。典型的には乾燥状態に比べ10℃前後の冷却効果が確認されています。
毛管力による水の吸い上げにより、表面温度は最大で約8.7℃低下(試験条件:材表面温度38℃時)。
揚水速度が高く、水が効率的に蒸散するため日中の熱蓄積を抑制。
建築の屋根・外壁:都市部のビル表面に適用することで、日中の蓄熱を抑え、夜間も表面冷却が持続しやすい。
道路・歩道舗装:交通網に敷設されれば、都市スケールでの気温抑制に寄与可能。
複合材料・環境インフラ:他素材との組み合わせで、耐久性やデザイン性を担保しつつ、持続的な冷却性能を付与。
現時点では実フィールドでの長期性能評価や耐久性、気孔構造の均質性の向上が次ステップとして重要です。また、コスト低減や成形技術の最適化、既存インフラへの適用性についても検証が求められます。
図.Science Tokyo大岡山キャンパスの本館講義棟(M-B104号室)に設置されたロータスセラミックス。
実際に設置されている場所はこちらです。
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