Supported by JSPS Kakenhi, The Kazuchika Okura Memorial Foundation,
Collaboration with 負熱膨張材料研究会
負熱膨張(Negative Thermal Expansion, NTE)材料は、加熱すると収縮するという通常の材料とは逆の特性を示します。この特性は、精密機器や光学部品など、温度変化による寸法変化を最小化したい分野で重要です。ゼオライトは、天然および合成で得られるアルミノシリケート系の多孔質結晶で、特定の構造を持つ場合に負熱膨張を示すことが知られています。
ゼオライトは、SiO₄およびAlO₄四面体が連結した三次元骨格構造を持ち、内部に規則的な細孔を形成します。この構造により、加熱時に骨格の回転や変形が起こり、結晶全体が収縮する「リジッドユニットモード(RUM)」メカニズムが働きます。これがゼオライトの負熱膨張挙動の原因です。また、脱水に伴い、格子定数が大きく低下する物質も複数見つかりました。これらのゼオライトを脱水モデル負熱膨張材料と位置づけ、用途の開拓に取り組んでいます。
寸法安定性:温度変化による膨張を抑制し、精密部品や光学系に適用可能。
複合材料への利用:正熱膨張材料と組み合わせることで、熱膨張係数を制御。
触媒・吸着材との両立:ゼオライトは既に触媒や吸着材として広く利用されており、機能複合化が可能。
ゼオライトの負熱膨張特性は構造や組成に依存するため、設計指針の確立が重要です。また、機械的強度や長期安定性の向上も課題です。今後は、ナノ構造制御や複合化技術により、より広範な産業応用が期待されています。
フレームワークモデル
脱水モデル
図3. 合成したゼオライト粉末の形状。
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