革新的ナノデバイス・ナノ表面改質技術の開発
RESEARCH OUTLINE
ナノ材料によって生み出された究極の表面改質技術を基盤とし、次世代ナノデバイスの開発に挑戦します。特に、ファンデルワールスヘテロ構造の特性を自在に調整することで、従来のデバイス設計を超えた新機能を実現することを目指します。層間のファンデルワールス力を活用しつつ、積層角度や界面制御によって電子輸送特性や光応答特性を最適化し、これまでにないデバイス性能を引き出します。これらの研究を通じて、ナノスケールでのエネルギー制御や情報処理を可能にする次世代半導体デバイス、超低消費電力トランジスタ、高感度センサー、量子デバイスなどへの応用を推進し、ナノテクノロジーの新たなパラダイムを切り拓きます。
POINT
異次元のナノ材料を自由自在に組み合わせたファンデルワールスヘテロ構造を応用することで、革新的ナノデバイスとナノトライボシステムを開発します。
グラフェンとhBNのvdWH構造を利用することで、従来のシリコンタイプのFETに比べ約1000倍の電子移動度を持つ超高速・高性能トランジスタの開発を目指します。
燃料電池は脱炭素社会を達成するエネルギー戦略において重要なキーデバイスと位置付けられています。高いプロトン伝導性とガスバリア性、熱安定、化学的安定性を有するhBNナノシートは固体高分子型燃料電池のプロトン交換膜として最適であり、燃料電池の効率を飛躍的に向上させる可能性を有しています。
ナノポアシーケンシング(Nanopore Sequencing)は、DNAや他の生体分子をナノスケールの孔(ポア)を通過させ、その過程で生じる電流変化を解析することで塩基配列を決定する分子生物学的な技術です。本研究ではナノ表面にポアを形成し応用することで、単一分子シーケンシング、高速リアルタイムデータ取得を可能にし、ゲノム研究や診断技術など分子生物学や医学へ革命をもたらします。
グラフェンをはじめとするファンデルワールスヘテロ構造(vdWH)は、優れた電子・光学特性と高感度な分子検出能力を持ち、バイオセンシングデバイスへの応用が期待されています。ナノスケールでの表面制御により、生体分子との相互作用を最適化し、超高感度な検出が実現されます。
ファンデルワールスヘテロ構造(vdWH)を活用した表面改質技術により、原子レベルで平坦かつ精密に制御された機能性表面の創成が可能になります。高速電子移動度、ワイドギャップ性、耐コロージョン性、超伝導性、超潤滑性を併せ持つ究極の表面を実現し、次世代ナノデバイスや高耐久材料の開発を加速していきます。