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教育思想史学会第34回大会へのお誘い
教育思想史学会会長 西村拓生
京都シリーズ三回目の大会のご案内を差し上げる季節となりました。
第34回大会も同志社大学を会場に、基本的に対面で、しかし同時にコロナ禍でのオンライン大会で拓かれたあり方を引き続き大切にして、ハイブリッド開催といたします。今年は隣接諸学会の都合で、三週連続の学会参加というタフな日程の方もおられるかもしれません。その中でハイブリッド開催が、多くの皆さんに多様な参加形態を選んでいただけるという意味で、私たちの学会のダイバーシティ、インクルージョンへの取り組みにも適ったものになれば、と願っております。
三年前に学会運営をお引き受けした際のごあいさつで、この学会の草創期を体験し、育てていただいた世代の責務、ということを書きました。当時、東西の論客が互いに一目置きつつ丁々発止と議論する様は、駆け出しの身には遥かに眩しく、刺激的でした。その記憶を、けっしてノスタルジーに堕さずに、新しい世代に相応しい新しいかたちで継承したいと願って学会運営にあたってきました。今大会のシンポジウムの企画には、そんな思いもこめられています。
いわば “思想(史)なき教育史” となっている「正史」としての『学制百五十年史』の批評を通じて、私たちの学会の歩みを反省しつつ、教育思想史研究という営みの使命を問い直したい、という趣旨。ご登壇いただく学会内外の論客の皆さんには、敢えて「放談」をいとわず、自由闊達な議論を、とお願いしております。ご参加いただく皆さんを巻き込んで、あの草創期の熱気を今日的に実現できれば。
フォーラムは通例の二つ。奨励賞受賞の森会員は、戦後ドイツにおける「保守」思想の可能性の再発見に果敢に挑んでくださいます。広瀬会員には、積年のカント研究を基盤に、「世界市民的教育」の豊かさ、切実さ、そして困難を論じていただきます。ウクライナにせよパレスチナ・ガザにせよ、依然としてナショナリズムの呪縛を突きつけられている私たちにとって、きわめてアクチュアルな主題です。
コロキウムも、上述のようなタフな日程にもかかわらず、4つの意欲的な企画を出していただけました。
これまでのダイバーシティ、インクルージョンへの取り組みや今回の大会内容の検討を通じて私たちは、若手もベテランも誰もが、相互に尊厳を大切にしつつ、活き活きと議論を交わし合えるような文化を育てていくためには、如何なる学会のあり方が望ましいのか、という問いに向き合ってきました。その模索は未だ途上ですが、教育思想史研究という営みそのものが、私たちの教育研究の倫理やスタイルの歴史性・相対性を意識的に捉え直し、互いに自らの絶対化から離れ、他者への想像力を育む力をもっていると信じています。
最後に、昨年、コロナ禍から復活して大盛況だった懇親会は、今年も同様に開催することを特筆大書させていただきます。今年も多くの皆さまと、初秋の京都で、あるいはオンラインで、お目にかかり、本学会ならではの議論を楽しむことができますように。
プログラム概要
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