平川:スタートしました。第98回箱根駅伝、試練を乗り越え、山を越え、自分を越える箱根路に飛び出していきました。いま、左にカーブを取りまして、日比谷通りに選手の一団が進んでいきました。
さあ、先頭で、いま、初出場の駿河台大学、きょうエントリー変更の清野太成を中心に、いま、21人の集団が、スタートしていきました。瀬古さん、思えば去年は本当に、スローペースだったんですが。
瀬古:史上最高遅かったような、覚えがありますねえ。
平川:今年もそうですか?
瀬古:なんかそんな感じがしますねえ。
平川:スタート時は少し勢いを感じたんですが。
瀬古:うん。
平川:出始めて、やはり少し牽制し合う感じになっているんでしょうか。中央大学、白地に赤のCも見えてきました。2年生の吉居大和がこの集団を引っ張る形になりました。そして一番歩道寄り、創価大学、前回2位の大躍進の創価大学は3年生の葛西潤、いま少し集団から離れる感じ、そして明治大学4年生の手島杏丞も、いま中央大学の吉居にいま、並ぶような形で進んできています。あ、ただ、大迫さん、少し隊列も少し長くなってきましたね。
大迫:そうですね。吉居選手が最初、あの、上げましたね。
平川:そうですか。やはり瀬古さん、そのあたりは少し、このペースではまずいといいましょうか。
瀬古:そうですね、あのー、やっぱり力がある選手、が前に行かないとですね、なかなかこう、ペース上がらないですよね。で、井川君あたり、早稲田、吉居君あたり、そこらへんが行くと、みんなついてくるでしょうね。
平川:そうでしょうね。いまこの集団21人のかたまりの最後方は専修大学2年生の今日エントリー変更、木村暁仁、いま創価大学の葛西潤のみ少し距離を取るような感じになってきています。
平川:さあ、4.5kmを過ぎましたが1号車蛯原さん、だいぶ、長くなってきましたか?
蛯原:そうですね。渡辺さん、4kmの通過が、中央大学の吉居大和は11分20秒、これはあの、区間記録を超えるようなペースになってきたんではありませんか?
渡辺:そうですね、あの、靴の影響もあるんで速く、まあ速いことは速いんですけど、ただこれ3kmから吉居君またさらに上げましたので、まあ今日はこれ逃げ切るんだぞっていうそういう覚悟が見られますよね。
蛯原:あの、最初は後ろを振り返っていたんですが、途中からもう後ろを振り返らない、そんな吉居大和、積極的な姿勢ですね渡辺さん。
渡辺:そうですね。もうこの時点で縦長にね、なってますからね。これハイペース久々に見ました。
蛯原:集団の一番後方が中央学院大学の栗原でしょうか、予選会では日本人トップだった、2年ぶりに戻ってきました中央学院の栗原が最後方、創価大学の葛西潤だけ1人だけ、やや歩道側を走っています。まもなく5kmを通過しようという、先頭集団です。
吉居の後ろ、早稲田の井川、3年生、来年はエースになるんだという自覚を持っています。4年生のために走ると言っていました。その後ろは東洋大学の児玉悠輔、東北高校ではキャプテンでした。仙台育英の1つ下のこの吉居をライバル視していた、東洋の児玉も後ろについています。いま、5kmを通過しました。手元の時計で14分7秒、これは区間記録を、おそらくこれ8秒ほど上回るような、そんなペースです、渡辺さん。
渡辺:そうですね、速いですね。
蛯原:速い。
渡辺:もう吉居君ね、攻めてますね。
蛯原:攻めている。中央の吉居大和が攻めています。
(テレビ映像に、縦に長く伸びた集団が映し出される)
平川:瀬古さんだいぶ、長くなりました。
瀬古:いやー、なんか波乱の1区になりましたね、これね。
平川:大きな動きが序盤から出始めました、第98回箱根駅伝です。
蛯原:5.6km過ぎ、中央大学の吉居大和が、20人のランナーを置いていきました。もう手元の時計で、渡辺さん、7秒から8秒、その差がついたんではありませんか?
渡辺:そうですね。吉居君、よっぽど調子がいいのか、いまラップを2分45秒切りくらいに上げてるんですよね。で、そこでもうつけなくなって後ろのね、集団が離れたって感じですよね。
蛯原:ええ。この1区は15年前に、東海大学2年生だった佐藤悠基さんが区間記録を打ち立てたんですが、今のこのもっとも古い区間記録、その記録を上回るペースで吉居が飛ばしています。吉居が飛ばしています。もし、このまま往路鶴見中継所、中央大学が先頭ですと、21年ぶりと、いうことになります。果たしてこのまま鶴見まで先頭で飛び込んで行くんでしょうか。
平川:はい。
蛯原:ご覧の表情、いかがですか?渡辺さん。
渡辺:そうですね、もう単独になってますから、もう追い風も直接受けられますし、もう気分よく走ってますよね。
蛯原:はい。先頭、快走を続ける吉居です。
平川:中央大学吉居が、独走の形で、この新八ツ山橋にかかりました。ここで緩やかに登って下るという1つのアクセントがあるわけなんですが、まあ瀬古さん、そういったもう、まあ六郷も大きなアクセントですが、その前にもう動きがあったという。
瀬古:そうですね。後ろの集団もね、このまま逃がしてはいけないですね。やっぱりこう見える範囲で、こう思い切っていかないとですね、やはり2区のね、人たちにも負担かけますからね。
平川:そうですね。まあ今年の学生駅伝で見ますとその、まず制しました、出雲を制した東京国際は3年生の山谷昌也、それから、全日本を制した駒澤は2年生の唐澤拓海、こういった選手たちがこの1区を任されていますが、いま八ツ山橋を越えて、今トップとの差もかなりもう、開いてきています。17秒の差がもう既につきました。
瀬古:約100mですね。
平川:そうですねえ。
いやあ、あの大迫さん、こう見ていますと本当に吉居の勇気を持ったスタートと言いましょうか、これがチームにどう影響を与えるかですね。
大迫:あの間違いなくこの勇気っていうのは2区3区、またその、復路の区間にもですね、あの影響してくると思いますね。プラスの方に。はい。
平川:さあ、中央吉居はどこまで離すか、そして後続はどこまで追い上げてくるか、第98回箱根駅伝です。
(9.8km過ぎの緩やかなカーブを通過し、画面内には吉居だけが映る。)
平川:2位集団もいま縦長になって伸びてきているんですが、1号車蛯原さん、だいぶもう後ろ見えなくなりましたねえ。
蛯原:そうですねえ。170mくらい差が開いたと思いますね。あの10年前、あのスタジオのゲストの大迫さんがまあ独走されて、2位の、日体大の服部翔太さんと23秒差で、鶴見中継所に飛び込んできましたが、渡辺さん、それ以上の差がついてるんじゃありませんか?
(ようやく2位集団がカーブを曲がり、画面後方に映りこんでくる。)
渡辺:そうなんですよね。まあ吉居君もよほど調子がいいのかですね、1km1kmぐいぐいぐいぐいペースを上げてるんですよね。そういう意味で区間記録もちょっと期待したいですよね。
蛯原:そうですね。9kmの通過の時点で区間記録よりも17秒早いペースで走っています。あるいは15年ぶりの区間記録の更新があるのか、今10kmを通過しまして(吉居は時計を二度見する)、10kmを27分58秒、27分台です!10000m、10kmを27分58秒ですよ渡辺さん!
渡辺:いやとてつもないペースですねえ。
蛯原:はい。28分台前半でも一流選手と言われる中で、27分台で、箱根の1区を走り切っています!先頭の中央大学の、吉居大和です。
(中央大・藤原監督の声掛け:後ろと30秒くらいもう離れてる、もう好きなように行ったらいい。どんどん行け、どんどん行け!いいぞ!)