ローマ字つづり方の改定
(46L 坂本環)
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(46L 坂本環)
2025年7月頃に文化庁の文化審議会が、ローマ字のつづり方を焼く70年ぶりに見直す答申をまとめたということを、NHKのニュースでご覧になった方もいらっしゃると思います。この答申によるつづり方の見直しの素案は以下の文化庁のサイトからダウンロードすることができます。役に立つかもしれません。一度見てみることをお勧めします。
文化庁サイト 国語施策情報 | 内閣告示・内閣訓令 | ローマ字のつづり方
文化庁サイト 改定ローマ字のつづり方(素案)
NHK ニュース ローマ字つづり方 約70年ぶり見直す答申 文化庁審議会まとめる
訓令式とヘボン式は、どちらも日本語をローマ字で表記する方法ですが、皆さんはすでにご存じのように、基本的な違いは、日本語の発音を重視するか、英語圏での読みやすさを重視するかという点にあります。どちらも一長一短ありますが、その違いについてこのエッセイの後半にもう少し詳しい説明を付けておきます。
またこの答申案についてうまく語っているYouTube動画がありましたので、以下にご紹介しておきます。
訓令式は小学校の時習った記憶がありますが、現在どちらを使っているかと言えば、英語圏の方に変な発音をされるのは嫌なので、私自身は基本的にはこの答申案に近いのですが、ただこの答申案に違和感を覚えるところが二つあります。
一つは、「おう」を「OU」とするか「O」とするのかです。たとえば「王様」はフリガナに忠実に綴るならば前者ですが、実際の発音はOOSAMAに近いと思います。
もう一つは、長音の表記方法です。素案の7ページには記号で長音を表す場合、以下のようにアルファベットの真上に「¯」(マクロン)あるいは「^」(サーカムフレックス)を使っても差し支えないということになるわけですが、パソコンやスマホでどうやって入力するんでしょうか。
その際、使用の実態に基づき、符号には「¯」(マクロン)を 採用した。 符号については、「¯」の使用が定着するまで、必要な場合には現行内閣告示が示 してきた「^」(サーカムフレックス)を用いても差し支えないこととする。
訓令式は、日本語の五十音図(あいうえお、かきくけこ、さしすせそ...)の並びを基準にしています。日本語の音韻体系を忠実に表すため、規則性が高く、日本語を学習する人にとっては覚えやすいのが特徴です。
**「ち」「つ」「し」**などの音は、五十音の行(タ行、サ行など)に合わせて、それぞれ **「ti」「tu」「si」**と表記します。
例えば、「ちば」は「tiba」、**「つくば」は「tukuba」**となります。
ただし、実際の日本語の発音とは少しズレて聞こえることがあります。例えば、「si」は英語圏の人が読むと「シー」ではなく「スィ」と読まれる可能性があります。
ヘボン式は、英語圏の人にとって読みやすいように工夫されたローマ字表記です。ヘボンさんが考案したため、この名前がついています。パスポートや駅名など、国際的な場面でよく使われています。
**「ち」「つ」「し」**などの音は、英語圏の人にも実際の日本語の発音に近くなるように、それぞれ **「chi」「tsu」「shi」**と表記します。
例えば、「ちば」は「chiba」、**「つくば」は「tsukuba」**となります。
「ん」の音は、後ろにくる子音によって 「n」 または 「m」 と表記されます。例えば、「しんぶん」は「shimbun」 となります(「b」の前なので「m」)。