(10/2 更新)
長雨の続く秋です。動きを制限された子どもたちはいかに…とご心配の声が聞こえてきそうですが何の何の、子どもたちは部屋の中でも、ごっこ遊びや物作りやブロック、積み木、跳び箱・・・と次々に遊びを広げています。毎日同じ遊びをしているように見えても、工夫したりチャレンジしたりと、いつも少し上を見据えながら遊んでいて感心します。
雨足の強い日のこと。雨どいからどんどん水が落ちてきて、テラスの前が川のようになりました。流れて行く水を見て「そうだ!」と思いついたようで、空き箱を使っての舟作りが始まりました。出来上がって早速浮かべてみたのですが、進みません。何故なら舟に雨水を入れているからです。重くて進まないことに気づいていません。そこへ年長さんたちがやってきました。彼らは舟に水が入らないように十分気を付けて置きました。すると舟は物の見事にスーッと流れて行ったのです。周りから思わず「わぁ~!」と歓声が上がったそうです。傍にいた先生が保育後に「年長の経験値って違いますね。」と振り返っていました。友だちに教えたり教えられたりしながら、知識を獲得していく子どもたちです。そのエピソードに触れながら、夏の保育研修会での学びを思い出していました。
それは千葉工業大学のロボット技術研究センター室長の講演でした。現時点でのAⅠ技術がどれだけ優れていてどれだけ進んでいるかを伺い、その能力に驚きつつ、でも少しドキドキしながら聞いていました。これを幼児教育に繋げていくよう求められたらどうしようかと思ったからです。講演の締め括りとなりました。すると講師は「ここまでずっとAIの素晴らしさを話してきたけれど、私は幼児期にはできる限りそれと遠ざけてほしいと考えています。幼児の時は<感じる・体験する・人と関わる>を何よりも大切にしてもらいたい。それがAIに囲まれた時に、何かが変・何か違うのでは…に繫がる大事なポイントです。」と。そう語られた時、会場は安堵感に包まれ大きな拍手が沸き上がりました。保育者みんなが同じ気持ちでいたことがわかり、同労の仲間なんだと心強く感じましたし、こういう事柄が共感し合えれば幼児教育は大丈夫!と思いました。
少し前になりますが、製作をしていた子が「警察マークってどんな?」と聞いてきたことがありました。イメージは浮かんでも正確にはわからず、一瞬“PC検索?”とよぎりました。でも、ここはそういう場ではなく、そういうお相手でもありません。「調べてみよう」と図鑑を開くことにしました。すぐに見つかると思ったのですが、正面からのマークは載っていませんでした。すると、近くにいた子が「あ~」と言って本棚から絵本を持ってきました。それはパトカーが活躍する絵本でしっかりマークが描かれていたのです。やっとわかった警察マーク。この間、どれくらいの時間がかかったことでしょう。『これに載ってる?・あれはどう?』などとお友だちを巻き込みながら辿って行く世界。子どもたちにはたっぷりの時間を保障して<感じる・体験する・人と関わる>というこの世界を大切にしていきたいと思うものです。 (園長 廣田雅子)
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