(9/5 更新)
これまで“夏休みの幼稚園”はどこか閑散としていて、セミの鳴き声だけが聞こえているちょっぴり淋しさを思わせるような光景でした。でも今年は違います。セミの声に気付かないほど、毎日毎日子どもたちの元気な声が響く明るい幼稚園でした。というのも預り保育の時間と期間が延びて、園にいる子どもたちが増えたからです。ニーズを想定し、時間を8:00~17:30に拡張して臨みました。その時に懸念されたのが、「利用時間9時間半」という長時間保育の連続で子どもたちが疲れはしないだろうか、ということでした。様々なご事情に合わせて利用枠を「9時間半」と設定したものの、その時間をフルに利用することは、預けられる子どもにとっては心身共に負担の大きなことになりましょうから。ですが、実際に申し込みが集まってくるとその懸念は杞憂だったとわかりました。子どもが淋しくならないように、疲れないようにとそれぞれがご配慮くださり、長時間の連続預かりは1例もありませんでした。やっぱりシオンのご家庭だな~と再認識です。
そんなことを感じていた時に長野県の児童センターでの事態を知らせるニュースを耳にしました。酷暑を避けるために室内遊びができる場所、共働きのために安全に過ごせる場所を求めて、児童センターには大勢の子どもが集まり、トラブルや安全対応に職員が大変苦慮しているというものでした。中には、保護者が勤務から帰るまでの“朝8時から夜7時までをセンターで過ごすように”と言われている子もいるとのことでした。息抜き方法を知っている大人でも他者と8時間以上を毎日のように過ごすのはストレスが溜まろうというものです。それを子どもが11時間もとは…。子どもは子どもなりに親の状況を忖度するものです。きっと、自分も協力しようと小さな我慢を重ねているのだろうと思い胸が痛くなりました。
この夏、先生たちと受けた研修の中で心に残ったのは【子どもの声に耳を傾ける―音声にならない声にも気づいていく】という学びでした。子どもは自分の声を受け留められながら自分を育てていくのだ、とも示されました。これから始まる新学期、先生たちは前にも増して【まずは共感する】を大切にして子どもたちと向き合っていくことでしょう。
シオン幼稚園は日々の園生活そのものに保護者の関わりがある園ですが、更に第2保育期はご参加いただく行事がいろいろあります。その折々に、ご一緒に子どもたちの声(音声にならない声も)まなざし・表情・動きをできるだけ丁寧に受け留めていきたいものです。
第2保育期もどうぞよろしくお願いいたします。 園長 廣田 雅子