E凶器光源のメンテナンス

はじめに

みなさまの職場にも自宅にもOLYMPUS EHT (通称E鏡基) は転がっていると思います。

もう一人の管理人だった橋本も職場では愛用しているそうですが、今回は彼の依頼でヤフオクで購入した光源のメンテナンスしましたので、一連の作業を載せていきます。

次回以降は彼自身でやっていただきたいと思うので、なるべく詳しく書きました。

これをみてマネしないでください。十中八九壊すもしくは直せなくて使えなくする方がほとんどだと思います。


必要なモノ

マイナスドライバー0.1, 0.2, 0.3 、カニ目レンチ、無水エタノール、綿棒、ワイプ、時間、カメラ、ネジを入れる小物入れ、キムワイプ、めがね拭き

清掃後の光源 ;初めからこの状態で届いて欲しいがそれは不可能な望みだ

鏡の部屋の清掃

ヤフオクで購入した光源は土まみれでもはや粗大ゴミ以下の状態でした。それでも実体として存在していたことに感謝です。清掃して使えることをこころから願いつつ、光源を裏返します。清掃開始です。

ロックを解除し、手前にJAPAN が来る向きにし、ネジを外します(重要)

[重要] 蓋を外すときはロックを解除した状態で開けます。

この向きは固定です(もし間違えた場合はリカバリー可能ですが面倒です)。

大きいネジを三つ外すとミラーの付いた台を外すことができます。内側のネジはミラーの向きに関わるため、絶対にいじらないで下さい。

ミラーを外すとフィールドコンデンサの清掃ができるようになります。絞りのはめ込みが壊れている場合は、ここで直すことができる場合もあります。できない場合は中腹部分の分解に進みます。レンズの清掃は一般的な方法で大丈夫だと思います。私は大きなゴミを除いた後に無水エタノールを綿棒に透けて汚れが消えるまで拭き、その後レンズクリーン用のワイプで中央から円を描くように放射状に拭き、最後にめがね拭きでアルコールの後を消しました。アルコールの後が残っている場合はゴミの付着が残っている可能性もあります。慎重に大胆にどうぞ。

ミラーは汚れがこびりついて汚くなっていましたがコートを剥がしたくないので水道水で適当に流してティッシュで汚れが消えるまで優しくなでなでし続けました(30分くらい)。

私は加減がわからないのでやらかしたんですけど、ミラーに傷が付きました?もしかしたら最初からだったのかもしれない。橋本氏が困るだけなので知りません。

お尻の分解

お尻の部分は簡単に分解できます。ネジを外して筒を抜きます。ここを分解するメリットはあまりありません。筒部分の内側に埃がたまっている、レンズを掃除したい、といった理由があれば分解が必要です。中腹部分の分解が目的であればスキップできます。届いた顕微鏡は土まみれでバルサムも垂れていたので分解清掃しました。パーツをばらせるので中性洗剤で洗いました。

中腹部分の分解

中腹の分解順序

①のネジは左右の区別なし、②は手前後ろでサイズは同じだが、区別した方が良い。③L/H レバーの分解は下に詳細を載せた。

ネジを取ったとしてもL/H レバーを取らなければ中腹は分解できません。カニメレンチでスイッチ部分を分解します。

中に二つのネジがあるので優しく緩めます。全部取らなくてもスイッチはとれます。

この状態になればカバーを剥がすことができます。

カバーはがぱりと外せます。後ろに移っていますが、老朽化でプラスチックパーツが割れていることがあります、セロテープで固定できるので問題ありません。また黒いゴムみたいなものが3つ取れると思いますがライト側のネジのスペーサーです(後日図を入れる予定)。

スペーサーが結構めんどい。灰色の輪っかのやつは割れていることがあるし、黒いゴムっぽいパーツは分解中に落ちてきてどこにあったのかわからない初見殺し。灰色のやつは左の写真みたいに割れててもセロテープで固めておけば問題ない。黒いゴムっぽいパーツは四角いのが上、丸いのが左右と覚えておけば良い。ちなみに丸いのは斜め下向きでカバーを付けることになるので無重力でも無い限り取り付けは不可能だと思う。自分は両面テープで動かないように固定した。何か問題があるかも知れないが、自分が困るわけではないので関係ない。

L/H レバーで動く拡大レンズがあります。清掃のためには上下のカバーを外してください。

ヤフオクの個人から購入した場合は管理が悪いので大抵汚れています。バルサム切れしていないことを祈りながら清掃しましょう。まずは大きいゴミを除き、その後ワイプで綺麗にしていきます。レンズの内側は背面から清掃できます。筒の内側にも埃が多くたまっています。清掃することをお勧めします。

雑でも掃除するとこの位綺麗になります。なお、私はやりませんでしたが、ここで中央のネジを外すことで絞りにアクセスすることができます。絞りが壊れやすいようです。そのときはここでかみ合わせを直すことができます。

逆順に組み立てていきます。慣れれば60分あれば清掃できます。最後に光を当ててレバー動作やゴミが残っていないことを確認します。

以上で光源部分の清掃はできます。

これはそもそも専門家に頼むか、自己責任でやるものであって他人に頼むものではありません(コラ、橋本氏!)。

ちなみにEHT はほぼ全マニュアルで動かす顕微鏡のため使うためには顕微鏡本体の仕様書の読み込みだけではなく、顕微鏡の知識も求められます。それにパーツはもはや手に入らず、有限・短勁レンズは技術的にも全てがストップしているため軽い気持ちで手を付けると損をすることがあります。そのため今からこの機種を中古で購入を考えている方は、潔く別の機種にすることを強く勧めます。それでもこういった清掃メンテをすることで顕微鏡の本質的な仕組みを学ぶこともできますし、照明の大切さをinput することができれば顕微鏡に新しい楽しさがわくかもしれませんね。ただし、最後に一言言わせてください。


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