〜 地球の裏側には、すべてが異なる文化の国があった。 〜
ブラジルでは、蛇口から出る水道水を飲むべきではない【写真1】。日本の水は軟水であるのに対してこちらの水は硬水であり、慣れない私たちが飲むとお腹を下してしまうのだという。代わりに、ペットボトルの水やホテルの冷蔵庫にある飲料(有料)を飲むとよい。また、 水道水を飲まないようにするために、歯磨きをするときにはペットボトルの水を利用する【写真2】。
私たちが泊まったホテル「ペスターナ・リオ・アトランチカ」や「インターコンチネンタル サンパウロ」には、水、コーラ、エナジードリンク、お酒と「ガラナ」が置いてあった【写真3】。
「ガラナ(Guaraná)」は、「ガラナの実」を利用した炭酸飲料で、ブラジルでの国民的ソフトドリンクである。ポルトガル語読みでは「グアラナン」。北海道でよく見るガラナと違って、薄い黄色・透明な見た目をしている【写真4】。渡航中には食事のたびに見かけ、とてもおいしかった。
ブラジルでは、トイレでのくず紙を水に流してはいけない【写真1】。近くに専用のくずかごがあるので、そちらに捨てる必要がある【写真2】。
こちらはかなり衝撃的な文化かもしれないが、実際には特に異臭がすることもなく、違和感なく過ごすことができた。かごのデザインが各ホテルで類似していたため、専用品が売られているのかもしれない。
ただし、水の流し方がレバーを下げることだとは限らない。【写真】のもの(ホテル「ペスターナ・リオ・アトランチカ」のもの)はタンク側面に押しボタンがついているが、タンクの上方によく見るとついているものや、上から垂れ下がった紐を引っ張ることで水が流れるものもある。こう表現するとゲームのようだが、近くの仕掛けに注目すると難なく水を流すことはできる。
ブラジルは車優先社会である。そのため、自動車用信号の青信号はとても長く、反対に歩行者用信号の青信号は極端に短くなっている。
ブラジルの信号は、歩行者用の信号が点滅するときに青ではなく赤が点滅すること以外は日本と同じ動作をするようだ。この【写真】を撮ったのはリオデジャネイロ・イパネマ地区だったのだが、この交差点では2分近く信号を待ったあと、道路を渡り始めると5秒もしないうちに信号が点滅を始めた。
このように歩行者向けの青信号は短いのだが、安全が確保されている場合は赤信号でも渡ってしまって構わない。特に自動車があまり通らない細い道や自動車の赤信号の直前は、待っていても渡りきれないので渡るべし。
ブラジルでは国民性として、「主張しないものは何にもならない」というものがある。それは運転のときも同じようで、クラクションが鳴るときは基本的に連打。短く何度も押して、移動などを促していた。
さらに、車間はとても狭く、バイクが渋滞で車線の間を通るのは当然で、車であっても入れる隙間があればどんどん割り込んでいた。日本では危険運転と見做されるような割り込みもあったが、通れるときに通らないのならば遅くなっても構わない、という解釈なのだろう。
一見無理に見えても成功させるドライビング・テクニックと気持ちの持ち方には、参考にしたいところがある。
ブラジルの人たちは基本的に人懐っこい。よく仲良く接してきて、親しい人や仲間意識のある人とはスキンシップも多い。
上述のように自分の意見を主張するはっきりとした性格もあり、物事がうまくいけばそれでいいや、といった大雑把な一面もある。例えば、空港の職員は日本だと何事も予測して素早く完了させる印象があるが、こちらでは多少手間取っても、結果として問題がなければ大丈夫だというふうに作業をしていた。
また、気になる治安についてだが、ガイドさんによればリオデジャネイロ五輪のあとに失業者が増加し、治安が悪化したという。スマートフォンのような高価なものは街中では決して取り出さず、「取れる状態にあるものはプレゼントだ」と思われていると考えて行動する必要がある。
リオデジャネイロの市民、「カリオカ(Carioca)」の人々は基本的に遊び好き。リオといえばカーニバルが有名だが、そのような感じで明るく、「時間があれば遊びを頑張る」のだという。
バストス市以外は「名所見学」が主であったので、市民と多く交流したというわけではないが、街全体に陽気な様子が感じられた。例えばマラカナン・スタジアム(Estádio do Maracanã)で出店のお兄さんとお話をしたのだが、彼は積極的に話しかけてきて、写真の撮り方を教えてくれた。彼以外にも協力的な人々が多く、元気をもらえた。
6時45分ごろに撮影した【写真】には、朝早くからビーチで球技やヨガ、散歩などに勤しむ市民が見られる。また、夜の20時ごろに撮影した写真にも同様に多くの人々が写っている。
サンパウロの市民、「パウリスターノ/パウリスターナ(Paulistano: 男性形 / Paulistana: 女性形)」の人々は基本的に仕事好き。高層ビルが立ち並ぶ街並みからも想像できるように、人々は真面目で、「時間があれば仕事を頑張る」のだという。
サンパウロ市では最大のストリート、パウリスタ大通り(Avenida Paulista)に行ってきたが、人々は誰もが忙しそうに道を歩いており、反対にお店などで休んでいたり、公園で体を動かしている市民も多く、その様子は都会人そのものであった。
【写真】はバストス市からサンパウロ市へと帰ってきたときのものだが、自転車や車が多く行き交っている様子がわかる。