日本とブラジルはほとんど地球の裏側に位置する国で、その間を移動するには長時間のフライトが必要となる。今回の渡航では、国内線を含めると合計55時間=2日と7時間、42,333kmに当たる距離を飛行機で移動した。
2国間の時差は12時間あり、協定世界時(UTC)と比較すると日本が9時間早く(UTC+9)、ブラジルが3時間遅い(UTC-3)。つまり、ブラジルでの午後9時は、日本での翌日午前9時だということになる。また、中継地点であるアラブ首長国連邦・ドバイ(Dubai, United Arab Emirates)は世界協定時比較で4時間早く(UTC+4)、この例では翌日午前4時になる。
(注: 以下のフライト情報は、Flighty Appを参照している。)
7月9日 | JL564 | ↗︎15:20(UTC+9) ↘︎17:09(UTC+9) | 1h49m | 999km
こちらは今回の長距離渡航で最初となる飛行機。ブラジルへと渡る国際線に搭乗するために、遠軽町に近い空港、女満別空港から東京国際空港(羽田)へと移動した。
女満別空港では、荷物検査も問題なく通過し飛行機JL564便に搭乗。フライトナンバーのJLとは日本航空(Japan Airlines, JAL)のこと。雲を翼の下に望みながら、東京に到着。東京国際空港では第一ターミナルに到着し、国際線のある第三ターミナルにはシャトルバスで移動した。
7月10日 | EK313 | ↗︎0:03(UTC+9) ↘︎5:20(UTC+4) | -5h | 10h17m | 7,936km
東京国際空港(羽田)の第3ターミナルは国際線が入っており、端が見えないほど広く、開放感のある場所。ここでは「和カフェテリア Dining 24 羽田食堂」さんで渡伯前最後の和食を味わい、「はねだ日本橋」や展望デッキなどを楽しみながら自由時間を過ごしたのち受付へ。そのあとは、保安検査、出国審査を完了させてドキドキの出国。
今回の飛行機はEK313便。オペレーターはエミレーツ航空(Emirates)、ドバイを本拠地とする航空会社だ。サッカーTシャツの胸部に見たことがあるのではないだろうか。十分なサービスと食事が提供され、特に初めての機内食は美味しくいただくことができた。座席には枕、毛布とエンタメサービス「ice」のためのヘッドホンが用意されており、長時間のフライトだったが快適な旅を過ごすことができた。深夜発だったこともあり、時間の多くは寝て過ごしたが。
日をまたいでから飛び立った便だが、日本から飛び立つと下には明るい東京都市圏の夜景が広がっていた。移動時間の中でも驚いたのは、雷雲の上を飛んでいるときの景色だ。
ドバイ到着前には、地平線からの日の出を見ることもできた。霧っぽい街を抜けて、ドバイ国際空港に到着!
7月10日 | EK247 | ↗︎8:40(UTC+4) ↘︎16:59(UTC-3) | -7h | 15h19m | 11,882km
生まれてはじめての異国の地・ドバイ国際空港に到着すると、赤色の「乗り換え(Connections)」の看板に沿ってしばらく歩いたあと、少しの自由時間が与えられた。ドバイ国際空港ではきらきら輝く金色のお土産やDuty Freeのお店が数多く並んでいた。特に、幹が金の延べ棒でできている黄金のヤシ?の木には驚いた。
ちなみに、ドバイは経由地であり「入国」はしていない。ゆえに、手続きも簡単に終わった。
この飛行機はEK247便で、再びエミレーツ航空。今回は時間最長のフライトで、どれだけ時間を過ごしても着陸しないようにすら感じられたが、『ハリー・ポッター』の映画を英語CCで楽しみ、時間を潰していた。この飛行機から、日本を感じることは難しくなっている。
ブラジルに到着すると、入国のために税関を通り抜けた。空港は早速ポルトガル語に溢れており、看板には英語も添えられていたものの、税関ではポルトガル語を待ち受けて戦々恐々としていた。しかし、職員の方はとても気さくで、聞き取りやすい英語で応対してくれるばかりか「ダイジョウブ!」と日本語で反応してくれ、ブラジルを楽しむきっかけとなった。
7月12日 | LA3931 | ↗︎15:09(UTC-3) ↘︎16:25(UTC-3) | 1h15m | 365km
ブラジルの2つの大都市を繋ぐ、リオデジャネイロからサンパウロへと向かうLA3931便。ラタム(LATAM)航空によるオペレーションで、今回の渡航で距離、時間ともに最短の便でもある。どちらの空港も元国際空港であった中規模空港で、移動経路は快適であった。この2空港ではあまり時間がなく、ほとんど写真を撮っていない。
この飛行機では、飲み物と薄味のポテトチップスが提供された。降下時に揺れが強く、私は飛行機酔いしてしまった。
以下は事後調査で知ったことだが、この2空港間の移動は需要が高く、これらを繋ぐ路線を「空の架け橋=ポンテ・エアーレア(Ponte Airea)」というらしい。
7月19日 | EK262 | ↗︎1:22(UTC-3) ↘︎22:44(UTC+4) | +7h | 14h22m | 12,216km
ブラジルを去り、ドバイ国際空港へと向かう飛行機EK262便で搭乗したのは、前から後ろまで「総2階建て」の巨人機A380-800。エコノミークラスの私たちは1階後方の座席だったが、高級な席が2階に用意されているという。このエアクラフトにはタッチ画面付きのヘッドセットが装備されており、さらに尾翼らしき場所にもカメラがついていて不思議な2画面を実現させることができた(【写真】の画面には、前方の地平線(TV)と真下(ヘッドセット画面)が映し出されている。この土地は、アフリカ大陸)。
このフライトは大西洋やアフリカ大陸を円弧を描いて横断し、距離の点では最長であったが、こちらも深夜便だったためほとんどを寝て過ごした。
7月20日 | EK312 | ↗︎8:23(UTC+4) ↘︎23:12(UTC+9) | +5h | 9h49m | 7,936km
ドバイ国際空港では第3ターミナルに4つのコンコースA〜Dがある。このとき私たちはコンコースAに到着し、次の搭乗場所はコンコースBにあるゲートB9であったため、保安検査のあとコンコース間を専用電車と巨大エレベーターを用いて移動した。この電車は空港内部専用であり、綺麗で旅行客向けの地下鉄のような雰囲気だ。エレベーターは電車駅のあるフロアと出発ゲートやお店があるフロアを繋ぐのだが、同じ面にドアが2枚あり、奥だけでなく横に長い、エレベーターが2台つながったような見た目だった。どちらも動作はスムーズで、楽しく移動することができた。
ちなみに、ドバイ国際空港のコンコースB・Cはエミレーツ航空専用であり、周辺のスタッフや利用客は全てエミレーツ関係者だということになる。平日でも大量の人が見受けられた。
(注: 以下の写真2枚はどちらも動画で撮影したため、見づらいかもしれないがご了承いただきたい。)
コンコースBに到着したあとは、8〜9時間の待ち時間があったため、インターネットの動画を見るなどして過ごした。東京へと向かうEK312便が飛び立つ前には、一列に並ぶエミレーツの航空機を見ることもできた。
日本の税関はやはり厳しく、黄色の用紙を埋めて提出した。ただ、用紙を問題ないように埋めたからか、税関では特に何も言われないまま通り抜けることができた。
7月21日 | JL567 | ↗︎12:47(UTC+9) ↘︎14:29(UTC+9) | 1h42m | 999km
今回の渡航を締めくくる最後のフライト。東京から北海道へと帰るJL567便だ。短い自由時間で昼食を「乱切り蕎麦と天丼 一の井」さんで食べ、特に問題なくゲートを通過し、雲の影を観察しながらあたたかい日本茶をいただいていると、広い大地北海道へと到着してしまった。これで合計55時間の空の旅が終わった。
遠軽町 - 女満別空港間は遠軽町の町営バス。個人的にはこちらの方面もよく行くので、見慣れた景色である(よって写真も撮っていない)。行く時は期待などの思いを雑談しながら、帰る時は疲れと時差でぐったりしながらバスに揺られていた。
サンパウロ市 - トゥパン市・バストス市間はバストス市が手配した(おそらく市営)バス。明るい運転手さん2人とともに、都市間では休憩も挟みつつ、ブラジル郊外の果てしない土地や世界都市サンパウロの建築群を眺めていた。
日本では見られないような、いわゆる「クローバーリーフ」や「ダンベル」と呼ばれる交差が多く、外を見るだけで新鮮な気持ちになった。