#7-1 IoT端末の製作 第1回 Wi-Fi接続

IoT端末としてのATOM

ATOM Lite/MatrixをIoT端末として活用するためには,インターネットに接続されている必要があります。今回は,ATOM Lite/Matrixに内蔵されているWi-Fiモジュールを活用したアクセスポイントへの接続方法を紹介します。

ライブラリ

ライブラリとは,「プログラムの一部をまとめたファイル」の事です。これを活用することにより,より短いコードで多くの機能を実装することができます。今回使用するライブラリは①WiFi.h,②M5Atom.hの2つです。WiFi.hについてはすぐに使用できます。M5Atom.hについては,ライブラリをインストールする必要があります。インストール方法については,こちら をご覧ください。

以下のプログラムをダウンロード,使用した事により生じた問題に関しては一切の責任を負いかねます。ご理解いただける方に限りダウンロードいただきますようよろしくお願いします。

プログラム

今回使用するプログラムは以下のGoogle Drive共有リンクよりダウンロードできます。

次の手順で作業を進めていきます。

①ファイルの確認

ダウンロード完了後,ファイルを開きます。図に示すようなファイルが開かれたことを確認して下さい。7行目および8行目の""部に,接続したいWi-FiのSSIDとパスワードを半角文字で記入して下さい。

"ツール"タブの設定(Mac OSの場合)

"ツール"タブの設定(Windows OSの場合)

②コンパイルと書き込み

ATOMにプログラムを書き込む前に,プログラムをコンパイルする必要があります。コンパイルとは,ソースコード(プログラムの本文など,人間が読める)をオブジェクトコード(コンピュータが読める・実行できる)に変換することを指します。書き込みまでの手順を以下に示します。

①USB Type-Cケーブルを用いてPCとATOMを接続します。

②Arduinoの"ツール"タブを開き,"ボード" を "ESP32 Pico Kit"(M5Stackライブラリをインストールしている場合は,"M5Stack-ATOM"でも可),"Upload Speed" を "115200","シリアルポート" を "/dev/cu.usbserial-○○○"(Windowsの場合,"シリアルポート" を "COM○")に変更して下さい。

シリアルポートに何も表示されない場合はUSBケーブルの接続を再度確認して下さい。接続を確認しても表示されない場合は,PCにUSBドライバをインストールする必要があります。こちら からご自身の環境にあったドライバをインストールして下さい。

③Arduino IDE上の左上にある"➡︎"ボタンを押すと,コンパイルと書き込みが開始されます。

Arduino IDEの下部にある黒背景の部分に現在の進捗状況が表示されます。エラーが表示され,進捗が停止した場合,上記のいずれかの操作が間違っている場合があります。再度確認して下さい。

シリアルモニタ

結果表示例

接続失敗例

③結果の確認

①コンパイル・書き込みが完了した後,"ツール"タブを開き,"シリアルモニタ"をクリックします。図(シリアルモニタ)のようなウィンドウが表示されたことを確認し,右下の数値を"115200bps"に変更して下さい。

②シリアルモニタに何も表示されていない場合,ATOM Lite/Matrixのリセットボタンを押して下さい。

③指定したWi-Fiに接続できた場合,図(結果表示例)のような結果が表示されます。接続に失敗した場合,図(接続失敗例)のような内容が表示され,ATOMが再起動されます。このような場合,SSIDもしくはパスワードが間違っている可能性があります。再度確認して下さい。

ATOM Lite/MatrixをWi-Fiに接続するまでの手順は以上となります。次回(#7-2)は,温湿度センサを使用した環境計測について紹介していきます。