ハードウェアトロイ回路検出

半導体集積回路のサプライチェーンの複雑化により、ハードウェアである集積回路にも不正な回路であるハードウェアトロイ回路が混入される危険があります。ハードウェアトロイ回路は、特殊な条件で発動するため故障検出のためのテストでの検出は困難とされています。そこで、本研究室では、入出力以外も観測するサイドチャネル解析を行い、ハードウェアトロイ回路を検出する手法を研究しています。

本研究室では、故障検出用のテストパターンを適用した際の電力を解析することでハードウェアトロイ回路を検出する手法を研究しています。故障検出用のテストパターンを用いることで回路中のあらゆるトランジスタのスイッチングを可能にし、さらに、スキャンチェーンと呼ばれるテスト用回路やクロックゲーティングを用いて、特定のセグメントだけをスイッチングさせることでハードウェアトロイ回路の効果的に検出する手法を提案しました。提案手法では、ゴールデンICと呼ばれる正常とわかっている回路を利用しない手法、クロックツリーに基づいたクロックゲーティング手法など、手法の実用性も重視した研究を行っています。