共有メモリ分散システムのための分散アルゴリズム

自律動作する複数のプロセスが共有メモリを介して通信を行う共有メモリ分散システムのための分散アルゴリズムも研究しています。大型計算機だけでなく、個人用のノートPCであっても複数のCPUを搭載し、複数のプロセスが並行して動作しています。これら複数のプロセスを効率よく同期させるためのアルゴリズムの研究をしています。

   ビットコインのように、ネットワーク内の複数のユーザが共通のデータである分散台帳(ブロックチェーン)を管理するシステムも共有メモリ分散システムです。分散台帳を用いるシステムは、集中管理の必要がなく、仮想通貨、スマートコントラクト、トレーサビリティ管理など様々な応用が考えられています。一方で、コンピュータネットワークの故障への対応、悪意を持ったユーザへの対応などの対策も必要です。ディペンダブルシステム学研究室では、ネットワークに故障が生じても分散台帳の一貫性を保証するアルゴリズムの研究を行っています。

Grégory Bénassy, Fukuhito Ooshita, Michiko Inoue, "Eventually consistent distributed ledger despite degraded atomic broadcast," Concurrency and Computation: Practice and Experience, 26 Jan. 2021.