1/17(水) 17:00- 佐藤峻氏 (東京大学大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻) 


「連続最適化問題に対する常微分方程式によるアプローチ」


連続最適化問題に対する既存の手法は,ある常微分方程式 (ODE)に対する数値解法と解釈できる場合があり,近年,この関係に基づいて,既存の手法を解析したり,新しい手法を構成する研究が進められている.例えば,最も単純な連続最適化手法である最急降下法は,勾配流と呼ばれるODEに対して,最も単純な数値解法である陽的Euler法を適用したものと対応していることは古くから知られている.近年では,加速勾配法等のより高度な最適化手法に対してもODEを用いたアプローチが行われている.この種のODEアプローチの利点として,ODEの方が性質の解析が容易であったり,直感的に分かりやすいことや,数値解析の知見が活かせる可能性があることが挙げられる.本講演では,最近の動向を含めて,連続最適化問題に対するODEアプローチを概観する.