10/25(水) 17:00-  曽我部知広氏、稲垣 賢亮氏、菅谷 遼氏 (名古屋大学 大学院工学研究科 応用物理学専攻) 

「量子計算アルゴリズムの基礎と最近の研究紹介  ーゲート型とアニーリング型ー」

悪く言えば絵に描いた餅であった量子計算アルゴリズムは,IBM Q(ゲート型量子コンピュータ)やD-Wave(アニーリング型量子コンピュータ)の登場により食べられる餅へとなる,という期待が膨らんできている.国内では,10/5に国産初の量子コンピュータ初号機が「叡(えい)」(叡智の叡や、アルファベットのAつまり最初とも解釈できる)と名付けられるなど,その名前に期待が込められている[1].本発表では,これまでのコンピュータの歴史と量子コンピュータの歴史を概観し,量子計算の原理を含む基礎的内容を曽我部が説明する.次に我々の最近の研究である量子計算アルゴリズムとして2つを紹介する。1つ目は(特殊な)離散最適化問題を解くための量子アニーリングの性能を向上させるリバースアニーリングの研究であり,アニーリング型量子コンピュータの実機を用いた計算結果を含めて稲垣が紹介する[2].2つ名は(特殊な)連続最適化問題を解くための量子変分アルゴリズムの研究であり,菅谷が紹介する[3].

参考文献

[1] 理研ニュース (2023.10.5): https://www.riken.jp/pr/news/2023/20231005_1/index.html

[2] 稲垣賢亮,曽我部知広,剱持智哉,張紹良,

探索的リバースアニーリングの提案と看護師勤務表作成問題への適用

第10回情報処理学会 量子ソフトウェア研究会, (2023.10), 6pp. (10/27発表予定)

[3] 菅谷遼, 曽我部知広, 剱持智哉, 張紹良,

定数係数2階線形偏微分方程式に対する量子変分アルゴリズムについて

第9回情報処理学会 量子ソフトウェア研究会, (2023.06), 6pp.