6/21(水)17:00 -  

データサイエンスにおける常微分方程式の数値解析

宮武 勇登氏  (大阪大学大学サイバーメディアセンター)

近年,データサイエンスにおける微分方程式の活用が進んでおり,数値解析学にも新しい研究の流れが興っている.例えば,従来は与えられた微分方程式に対して良いアルゴリズムの設計を目指すことが主流であったが,より一層,微分方程式の導出の背景や,あるいは数値計算結果の利用方法にも向き合った研究が期待されている.一例を上げれば,ODE-Netでは学習の際に随伴方程式と呼ばれる微分方程式を数値計算する必要があるが,この随伴方程式のみを切り出して高精度計算を試みることは全く適切ではない.本講演では,ODE-Net,動的低ランク近似,連続最適化などのテーマにおける常微分方程式の数値解析基盤について概観する.