11/11(月) 17:00-
動く界面を(数値的に)追いかける
アブストラクト:シャボン玉,滴り落ちる水滴,水面上の油滴など,界面が時々刻々と変化する現象は身の回りに溢れています.これらのような,時間発展する界面のダイナミクスを調べる問題は移動境界問題(自由境界問題)として知られており,物理現象を調べるのみならず,数学的にも,あるいは画像処理のような応用的問題意識からも盛んに研究されています.移動境界問題を数理的立場から調べるために多くの数理モデルが提案されていますが,これらの数理モデルに共通する特徴として,界面の平均曲率などの「幾何学量」が含まれることが挙げられます.これは,今までによく調べられている偏微分方程式に比べて解析する難易度が格段に上昇することを意味しており,どのようにすれば良い数値計算ができるか,今でも未解明の点が多いです.本講演では,移動境界問題に対して今まで提案されている数値計算手法を概観するところから始め,講演者による最新の研究成果まで,ざっくばらんにお話しさせていただく予定です.