モデル履修・履修系統図

 文学部の学びは、これからの社会にこそ必要な〈教養〉、すなわち現代の人間と社会が抱える諸問題に対して、古典から学びつつ創造的活動を重視することで、新たな問いを立て問題の本質を洞察し概念化する力を養うことを目標としています。本格的な〈教養〉を育む環境として、13の専攻と学びのパスポートプログラムがあり、複数の言語・文化・地域等に通じた多彩な教員がいます。各専攻が学問的に蓄積してきた知を〈タテ軸〉とするなら、ここに提示するモデル履修は〈ヨコ軸〉の学びと言えます。文学部は、領域横断的な知にチャレンジし縦横に動きながら自在に学ぶ学生のみなさんを、応援したいと考えています。

文学部の総合教育科目には270あまりの科目が開設されており、さらに各専攻には他専攻・他学部に開放されている「ゴシック科目」が多数設置されています。これらの科目を組み合わせ、13専攻の枠を超えたテーマに基づいて体系的に履修することで、文学部では所属専攻以外の分野の学びを積み上げていくことができます。特に、学びのパスポートプログラムに所属する学生は、複数のモデル履修を学んでいくことが推奨されています。専攻を横断する多様な学びを、モデル履修を参考にして各自で作り上げていってください。各専攻の学生も、自らの興味・関心に応じて、自身の専攻の学びとは別に1つ以上の領域で複数の科目を系統的に積み上げて学ぶことをお勧めします。

 モデル履修は、修了証書等を発行する制度*ではなく、各自の知的な探求に対するガイドの役割を担っています。学びの順序としては、「最初に学ぶ科目」から「基幹科目」、「発展」と進んでいきながら、並行して「広く深い教養」の学びを加えていくことで、系統だった学びと、その土台となる広い視野と深い教養を身につけることができます。発展科目には、後期教養科目や各専攻のゴシック科目も載せられています。それらの科目は、基礎知識が無いままそれだけを学んでも、多くのことを得るのは難しいでしょう。専攻横断型の学びをするためにも、その学問領域に特有な思考の方法と基礎知識・概念を身につけた上で、各領域の専門科目にチャレンジすることをお勧めします。

 Cplusにてモデル履修の例をダウンロードしてください。ここに挙げられたもの以外にも、各自に合ったモデル履修を作ることが可能です。時間割の関係でモデル履修どおりの学びを進めることが難しい人、自分なりに考えてオリジナルなモデル履修を作りたい人、モデル履修の先にある学びを追求したい人などは、文学部事務室や学部の専任教員に個別に相談することをお勧めします。教員はオフィスアワーという制度で、毎週決まった時間、個人研究室での面談に応じてくれます。今年度のオフィスアワーは決まり次第、Cplusを通じてお知らせします。(5月以降を予定)

 高村光太郎の詩「道程」のように、自分の前にまだ道はなくとも、自分の後ろに道はできると信じて、領域横断の学びにチャレンジして下さい。

※モデル履修制度は2021年度から新しいものに生まれ変わりました。新制度においては修了証は発行しません。ただし2020年度以前入学生については、旧・モデル履修制度に従って修了証の申請が可能です。科目リストや申請方法詳細はCplusお知らせで案内します。