学びの軌跡
学びの軌跡
❐ 卒業生の声
藤本 唯 さん
2024年度 本科
「この学校では愚か者になって卒業する」と入学式でお言葉をいただきました。これまで良い成績を残すことを目標とする環境にいた私には、とんでもない、という気持ちでしたが、教義を学び、親鸞聖人のお人柄が少しずつ見えてくるにつれ、その言葉の意味を味わえる身になっていました。
駆け抜けるような日々の中、時に一緒に立ち止まり、時に手をひっぱってくれる、そんな法友の存在に、どれほど救われたか分かりません。年齢も経歴も様々ですが、ここでの出遇いはかけがえのない財産です。
私の学院輪袈裟は、25年前父が着けていたもので、ヨレヨレで糸も出ていて色も褪せています。しかし、そんな輪袈裟を有り難く思います。
豊原 正晴 さん
2024年度 本科
学校や会社という環境では、価値観の近い人が周囲に集まることが多いですが、学院の同級生達はそれぞれが入学に至るまで様々な経緯を経ています。真宗の御法義を勉強するだけではなく、境遇も価値観も異なる同級生達との生活を通して、自分自身を見直す機会を頂戴していると感じています。
座学では今まで仏教に触れてきた経験を問わず、多くの学びや気付きが得られると思います。同時に、学べば学ぶほど自身の至らなさ、我が身の姿を知らされていくのが中央仏教学院の生活です。しかし、その苦しみを一人で受け止めるのではなく、学友たちと共有し、共にお念仏を味わう…そんな有り難い毎日を送っています。
渡邉 成海 さん
2024年度 研究科
教学・伝道課程
より専門的な知識を学びながら、それを自分の言葉として他者にわかりやすく伝えていけるよう研鑽しています。授業を通してお聖教のご文をより深めることができ、今まで分からずにお称えしていたご文が、次第に意味を味わいながらお称えできていることが嬉しいです。
少人数グループでの個別指導では、ご讃題を自分なりにどのように深めていくのか、意見交換しながら新たな視点をいただけることも多々あります。学院生全員の前でお話しする機会もあるため、話し方のコツや度胸も身についたような気がします。
本科生と勤行当番を行い、研究科勤式課程生とも同じ校舎で学ぶことで、互いに刺激し合える環境です。
出倉 恵心 さん
2024年度 研究科
教学・伝道課程
私は2021年度に本科、翌年に研究科へ進学し、その後は勤式指導所で学びを深め、2024年度に再び中央仏教学院へと帰ってまいりました。研究科在籍時には学友会長も務めさせていただいた私がこの馮翊(ふよく)の地へと戻った理由、それは「横のつながり」であります。
この学び舎は、実家がお寺で浄土真宗とご縁の深かった方も、そうではない方も一緒になって大切なみ教えを味わい、深め合える場です。私が3年間、一度も遅刻や欠席をしていないのは、ここでしか遇えない“一瞬”があるからです。大切なみ教えを共に学び、同じ時を共に過ごす――遇い難き仏法のみならず、遇い難き法友に出遇える場が、中央仏教学院です。
胤末 香心 さん
2024年度 研究科
勤式課程
勤式課程では、声明はもちろんのこと、作法や雅楽についても学びます。特に雅楽の授業では、息づかいや周りとの調和、間を感じることなど、専門的な技術やノウハウを丁寧にご指導いただきます。また、本山で勤修される法要への出勤・参拝など、様々な経験をさせてもらっています。
学院は入学者の年齢層も幅広く、色々な人と関わることができるので、互いに学びを共有し深めあえます。多くの人にとって資格取得が目標かと思いますが、法友との繋がりができることが、学院で学ぶ最大の長所だと思います。
大変なことも多いですが、それ以上に多くの学びと気付きがあり、毎日がとても充実しています。
古川 奈都 さん
2024年度 研究科
勤式課程
私は、学院の本科・研究科で学んだあと、勤式や雅楽に憧れを感じていたこともあり研究科勤式課程へと進学しました。勤式課程ではご本山の晨朝出勤や法要出勤など、貴重な経験をさせていただき、とても濃い充実した日々を過ごしています。
本科や研究科時代の先輩・友人には住職となった人、法務員として各地で働いている人、伝道や教学をさらに深く学びたいと進学した人などがいます。大変なことや挫けそうなこともありますが、共に念仏者として道を歩む仲間の近況を聞いて励まされながら頑張ることができました。
学院で過ごした3年間の学びと経験、出遇いは、今後も私の心の支えとなっていくと思います。