「孤立予防」を目的に発行している地域サロン情報誌「ちさろ」。新聞などで取り上げていただくと、編集部に電話をいただくことがあります。
その中のひとつには、シニアになってから新しい土地に引っ越してきたので、夫を亡くしてから誰も知り合いがいないから、孤立している、という相談がありました。また、一人暮らしが辛い、どうしたらいいだろうかというお電話も。
ゴミを出したり家を出入りする際に、近所の人とちょっと立ち話ができれば、相談のほとんどは解決する内容です。
けれども今は気楽な付き合いが減ってしまい、さらに、人との付き合いを遠ざけるコロナ禍が追い打ちをかけたのではと思います。
相談場所は、区役所をはじめ公的機関にもいろいろありますが、どうも敷居を高く感じるようです。ちさろ編集部のような、まったく知らない相手だけれど、ちょっと相談してみようという気になれる、そんな場を知っているか知らないかの違いは、大きいと思います。
「孤独は毒というぐらい、心身への影響が大きい」。そのことを表した調査結果が、国のサイトや講演会などで見聞きするようになってきました。身近な人と気楽に挨拶するという、ささやかな交流が、将来の健康を左右するのかもしれません。
2024.8.13
2017年に地域サロン情報誌「ちさろ」創刊して、7年目になりますが、実は最初の頃は地域サロンのことをよくわかっていませんでした。私たちとグループ団体である、日常生活支援を行う「たすけあいワーカーズ」が、コロナ禍以前にサロンを運営していて、取材したことがあったので、地域の人たちが思い思いに集まってくる場なんだろうなと理解していました。
ちさろを創刊して、NPO法人シーズネットや、札幌市社会福祉協議会などに協力をいただきながら、いろいろなサロンを取材することになって、想像以上にサロンの種類が多いことに気づきました。
これまで取材したサロンの主催者はだいたい次の通りです。
・個人
・町内会
・団地、マンションの管理組合
・NPO法人
・福祉事業所
・医療関係
・介護予防センター
・福まち
「福まち」はちょっと聞きなれないのではないでしょうか。住民主体でまちづくりをしていこうというコンセプトのもと、町内会や地域の社会福祉協議会、介護予防センター、地域包括支援センター、民間事業者などが連携して行うものです。札幌市では各区の福祉のまち推進センターに事務所があります。
福まちでは、子育てサロン、高齢者向けの運動サロンなど、多世代に向けたイベントを行っています。おそらく町内会の回覧板で告知されているのでは。活動している方は、「最初は面倒かなと思ったけど、同じような年代の人とおしゃべりする機会にもなって楽しい。気づくと生きがいになってる」と話して下さる方が多いのが印象に残っています。
2024.8.12