あの世
あの世や霊界といった神秘的な死後の世界、精神の世界は存在しません。なぜなら、思考や喜怒哀楽などの精神の本質は脳という巨大なニューロンネットワークを駆け巡る電気信号に過ぎないからです。死はこのネットワークが機能しなくなり、電気信号が絶え、精神は消滅します。では、阿弥陀経が説く極楽浄土はどこにあるのでしょうか。仏教天空起源説に則して仏説阿弥陀経を読み解くと、それは天体望遠鏡で観測する現実の宇宙に実在します。
仏説阿弥陀経
お釈迦様はある日、突然、自ら弟子たちに極楽浄土という世界があると語り始めました。
釈尊は突如、舎利弗に仰ったのです。ここから西方、十万億の仏の国々を過ぎゆくと、1つの世界に到る。名付けて極楽と呼ぶ。そこには阿弥陀と呼ばれる仏がおられ、今、現にそこで法を説かれている。
なぜ、お釈迦様は唐突に、極楽と呼ぶ世界がどの方向にどれだけ離れたところにあると話されたのでしょうか。続いてお釈迦様は極楽浄土の具体的な様子を語られますが、それは次のようなものです。
極楽浄土
・身心の苦しみのない、永遠に安らかな世界。
・金、銀、瑠璃、水晶でできた玉垣、飾り網、並木が巡らされている。
・金、銀、 瑠璃、水晶、宝石、赤真珠、瑪瑙で出来た池。漲る八功徳水。青、黄、赤、白に光り輝く車輪のように大きな蓮。
・美しい音楽が流れ曼荼羅華が降り注ぐ世界。
・仏法を説くいろいろな鳥たち。
・そよ風によって宝の樹木が奏でる百千種の素晴らしい音色。
・悟りを開いた数えきれない人々が暮らす世界。
・阿弥陀仏と呼ばれる頂点の仏の存在。
このような世界を頭の中で思い描いた世界として語ることはできるかも知れません。更に続いてお釈迦様は語られます。
お釈迦様の想い
阿弥陀経の中でお釈迦様は言われます。
この世界を聞いた者は、是非この国に生まれようと思い立って欲しい。そこは仏道を歩む様々な人々と一堂に会う喜びが得られる。少しばかりの善行では、極楽に生まれることはできない。絶えず仏を拝み、真理を追い続ける事で、死後、極楽に生まれる。私は念仏の利益を体験した。三千世界の仏たちはそれぞれの国で極楽世界の素晴らしさを褒め讃えている。
このようにお釈迦様は、極楽浄土が現実の存在であるかのように話されています。死後の世界とは霊界のような場所と考えられていましたが、生命科学が発達した現在では、DNAによる命の再生は、死後に再びこの世に生まれ変わる手段です。三千世界(宇宙)も、仏(覚者)も、この世の存在なので、極楽浄土も実在し、その世界は高度な科学と崇高な精神によって成し遂げられた荘厳な惑星です。お釈迦様は、あの世から帰って来て極楽浄土の素晴らしさを説かれたのではなく、宇宙に実在の世界を訪問し、その世界の真実を、他の宇宙の諸仏がそれぞれ自分の国土(惑星)で説くように、地球上の弟子たちに語られたのです。当然これは唐突に自ら語られる形になります(無問自説)。西方とは、太陽が沈んで現れる星々の世界、すなわち宇宙を意味します。極楽浄土はこの現実の宇宙に実在し、阿弥陀仏はお釈迦様の時代も今も法を説いておられます。