よくある質問に、参考情報を、ご案内しています。
ベーグル
Q:ベーグルは、パンですよね⁉
A:いいえ。ベーグルは、焼く前に生地を茹でる工程(ケトリングと言います)が入るため、パンとは区別されるのがよいと考えています。生地を油で揚げるドーナツをパンと言いません。ドーナツはドーナツです。ということで、ベーグルはベーグルなのです。
※現状では、食品表示を規定するJAS法に則り、ベーグルは便宜上「パン類」または「その他のパン」に分類されています。しかしながら、実際に使用している原材料のシンプルさ、および焼成直前にケトリング(茹でる)する工程が加わることから、数十年前(当時ベーグルは日本社会には流通していない)に制定された本規定は、ベーグルに当てはめるには少々無理があるように思われます。
Q:何のために生地をケトリング(茹でる)するのですか?
A:この工程のおかげで、意図する噛み応えのある食感ができあがります。ベーグル店により、このケトリング方法や茹で加減は、様々のようです。
Q:噛み応えのあるベーグル作りに拘るのは、何故ですか?
A:「噛む」という当たり前の行為が、健康にとても大切であることを知ったからです。それ以来、しっかり噛み応えのあるベーグルに拘り製造販売しています。
噛む行為は、自律神経や脳機能そして分泌される唾液も、想像以上に健康に影響します。柔らかい食物をよく噛んで食べるには、少々無理があるように思います。よく噛む食習慣を再生するためには、ある程度、噛み応えのある食物が必要!と考えるに至りました。
※噛み応えとは、個人差がありますが、「ある程度、歯茎~顎に負荷がかかることor荷重ストレスがかかること」と、考えられます。
噛み応えのあるベーグルは、一口サイズに輪切りカットすることで、よく噛んで風味をゆっくりと味わっていただけます。好きなトッピングも楽しめます。
Q:生地を”茹でる”とどう変化するのか、詳しく知りたい。
A:生地の表面のでんぷん質が糊化し、外側は薄い膜に覆われた状態になります。内部は、生地表面に近い部分は温度が上昇、速やかに発酵が促進、早々に高温になり発酵は停止しますが、生地深部では発酵が促進状態。そして生地全体に高温状態が伝わると、発酵で発生した炭酸ガスが急速に膨張、お湯に浸かっていた生地が、多少膨らんで浮き上がって来ます。
この後、オーブンに移して焼成するのですが、茹でられた生地表面は糊化して膜に覆われているので、生地内部の膨張した炭酸ガスの抜け道はなく、生地の内圧が上昇、膜が膨張した炭酸ガスを受け止め、生地表面の膜がバルーンのようにパンパンに張る現象が観れます。
なお、ある程度しっかりした厚みのあるクラスト(皮の部分)は、特有の噛み応えのある食感に欠かせません。クラム(生地)の食感に関心が集まるベーグルですが、このクラストもお楽しみください。
Q:バター、油脂類、牛乳、乳製品、卵を、使わないのですか。
A:不使用です。例外としてケフィア生地ベーグルやチーズベーグル、チョコレートベーグルなど、乳製品等を使う場合があります。
Q:全粒粉は使用していますか?
A:全粒粉は、小麦では使用していません。ライ麦は、全粒粉を使用しています。
Q:自家製ライサワー発酵種とは?
A:ライ麦全粒粉を発酵させて得た発酵種です。これによる生地発酵では、酵母より、主に乳酸菌による発酵が進むため、酸味のある生地(焼成前)が出来上がります。当店ベーグル特有の風味は、この発酵種が関与していると考えています。
この発酵種を使用している商品は、定番(プレーンベーグル、ライ麦ベーグル、ナッツくん)、プレーン生地使用のお楽しみベーグル、ベーグル風シュトレン、ナッちゃん、、、。
Q:ハイブリッド発酵について知りたい。
A:発酵は、生地の風味と膨張に関ります。当店ベーグル特有の風味をもたらす自家製ライサワー発酵種は、生地を膨らませる炭酸ガスの生成力が弱いこと、そして、レシピによって少量使用の場合もあるので、生地の膨張力を補完する目的で、インスタントドライイーストを併用しています。この事実を表現する用語として、「ハイブリッド発酵」と称しています。この発酵法により、狙い通りの風味と生地の膨張が調整可能になりました。
Q:ほかにも自家製発酵種はあるのですか?
A:一覧にしましたので、ご参考になさってください。
Q:リング(輪)の形状は、何か意味があるのでしょうか?
A:ベーグル特有のこの形状は、発祥地とされるポーランドでは、宗教上や伝統など由来に諸説があるようです。一方、ケトリングや焼成時に、生地表面から中心部まで約2㎝前後なので、短時間に生地中心部まで均一に熱が伝わるという、物理的な合理性も興味深いですね。
Q:お勧めの食べ方はありますか?
A:そのとき食べる分だけ一口サイズに輪切りして、好きな食材をトッピングします。カナッペ風がお勧めです。
特に、プレーンは、リベイク(焼き直し)せずに冷たいバターとの相性が抜群です。あんこもトッピングできれば、「あんバターベーグル」に変身です。ずんだがあれば、ずんだベーグル。チョコレートで、チョコベーグル。レーズンで、レーズンベーグル。チーズで、チーズベーグル。手作りのバリエーションをお楽しみください。
◆お知らせ◆
自家製「特製甘みそだれ」60gの販売をはじめました。ご自分でトッピングの仕方を工夫して、「甘みそだれベーグル」作りをお楽しみいただけます。
★マニアックな相性★
プレーンベーグル: ピスタチオクリーム(スプレッド)・・・・・成城石井等で販売
ライ麦ベーグル: 濃厚なチーズ/はちみつ&ワイン
ナッツくん: ハーゲンダッツのマカデミアンナッツ(アイスクリーム)
Q:ベーグルの分類があるようですが、ニューヨークタイプとか、、、どんなタイプに入るか教えて下さい。
A:ほかヨーロッパタイプ・モントリオールタイプとかあるようですが、それらのレシピを習得したわけではなく、ベーグルは焼く前にケトリングすることを知り、実際ケトリングすることで絶妙の食感を得たことがきっかけで、試作を繰り返し、当店のレシピに行き着きました。正直、ニューヨーク、パリ、モントリオールのベーグルを、現地で食したこともなく、分類についてよくわからないです。当店では、焼成し室温近くまで放冷後はラップするので、ハードタイプでもなくソフトタイプでもなく、リベイクの仕方で食感の変化も楽しみの一つかもしれません。無理やり分類するとしたら、手前みそになりますが、噛み応えと発酵に拘った当店ベーグルは、”ナッツくんタイプ”なのかもしれません。
なお、ニューヨークタイプは、水平カットしていろいろな食材やディップをサンドして食するのが流儀とされているようです。当店では、特にお客様に拘りがなければ、噛み応えがあるので一口サイズに輪切りされ、好みのチーズやバターなどをトッピングされて食されるようご案内しています。
Q:準定番の「麹ベーグル」の特長について知りたいのですが?
A:ほんのりとした麹の風味をお楽しみいただけます。砂糖は使用せず、粉麹(当店仕入販売)の発酵による自然な甘みに調整しています。
なお、当店ベーグルすべてのレシピに入っている自家製ライサワー発酵種を使用していません。
Q:焼き立てのベーグルを購入したいのですが?
A;焼き上がり早々のベーグルは、販売していません。当店のベーグルは、焼き立て直後は食感的に美味しくありません。1~2時間放冷すると、生地内の水分分布が安定し、この状態でラッピングし販売しています。数時間~経過後が、美味しい状態になります。
Q:特製ベーグル風シュトレンは、一般的なシュトレンと違うのですか?
A:レシピが全く異なります。1つ目が、「原材料として、バター・油脂類・乳製品・牛乳・卵を使用していない」点、2つ目が、「出来上がった生地を焼く前にケトリング(茹でる)を施している」点、その他として、「生地自体はライ麦ベーグルをベースにしていますので、使用する砂糖の量はとても少ない方」だと思います。
甘味は、レーズン、ドライいちじくの自然な甘みを楽しんでいただけます。10日程度熟成させた状態で出荷販売していますので、食べごろには、噛み応えのあるシュトレンになります。薄くスライスしてチビリチビリとお召し上がりください。ティータイムにどうぞ。
※出荷販売期間は、11月~3月です。予約注文をいただいてから製造熟成いたします。
Q:以前に比べて、美味しくなったような気がする?
A:レシピは、オープン以来変更していません。
考えられることとして一つは、拘りの生地の発酵とケトリングで、一定のスキルを体得してきているためかもしれません。
当店の厨房は、室温が冬場3℃~夏場は34℃にまでなります。設備の不足は、温風機・温水・冷水・ヨーグルトメーカー・手製の発酵器を、そのときどきの状況に応じ、駆使しながら生地の発酵を進めています。発酵菌は生き物ですので、温度・湿度・pHなどにより生地発酵が大きく様変わりします。当店の場合、厨房に四季があり、発酵に多少バラツキが生じます。こんな環境下でも、生き物の各発酵菌のことをよく理解し、作業工程を微調整できるようになりました。そして、発酵とケトリングの具合は、もっぱら目視で見極めることができるようになりました。
考えられることのもう一つは、発酵は年間を通して一定にするのがよいと思われますが、この発酵のバラツキが逆に風味に巾を与えてくれます。ヒトも四季により食欲や食も少し変わります。発酵と食がたまたまでもなぜかマッチしたとき、あらためて美味しいと感じられるのかもしれませんね。
生地を大切にしている当店として、美味しいと評していただけるのは、とても嬉しいことです。感謝!
Q:添加物は使用していますか?
A:当店の製造工程では、V.C(ビタミンC、アスコルビン酸)極微量を、酸化剤として使用しています。具体的には、ベーグル生地の食感に関るグルテンの形成を促進するために使用しています。
そして、当店では小麦粉として、日清製粉リスドオルまたはスーパーキングを使用しています。これらは、小麦粉にそれぞれ「粉末麦芽」、「粉末麦芽・増粘剤としてアルギン酸」がプレミックスされた”パン用粉”になります。
Q:使用している小麦の産地はどこですか?
A:日清製粉リスドオルおよびスーパーキングに使用されている小麦の産地は、北米および欧州とされています。
Q:スーパーキングにプレミックスされている添加物のアルギン酸(増粘剤)は、どのような物質ですか?
A:食物繊維の一種です。身近には、コンブなどの海藻類に含まれる不溶性の食物繊維として知られています。ということで、アルギン酸はコンブから抽出される天然物で、サプリメントとしても注目の成分です。
Q:ライ麦ベーグル三兄弟は、臨時営業(月曜日&祝日)にしか製造販売しないのですか?
A:日曜日や火曜日にも製造したいところですが、とても難しいのです。
その理由は、大量にライサワー麦発酵種を使用するため、これの準備調整に特別な段取りが必要なためです。そして加えるとすれば、ライ麦および発酵種比率が高まることで、生地の取り扱い難度が増すため、現状のスキルでは、製造作業に特化集中する必要があるためです。
残念なお知らせ:
ライ麦50ベーグルの製造販売終了に伴い、三兄弟も解消となります。兄弟の真ん中、Wライ麦ベーグルで長時間低温発酵をはじめたため、風味と食感の進化、そして形状の類似化により、兄のライ麦50ベーグルが、その役割を終える形となりました。 2025年7月31日
Q:Wライ麦ベーグルの「W」の意味合は?
A:もともとは、ライ麦比率を定番の2倍(ダブル)を、「W」で表現したものです。ライ麦生地を好まれるお客様の来店が増えていることから、2025年6月から、定番ライ麦ベーグルに替え、Wライ麦ベーグルの提供をはじめています。
新しい意味合いとして、~『ライ麦全粒粉』だけでなく本格的なライ麦生地に必要な『ライサワー発酵種』の両方を、ダブル(W)で使用していますよ~を表現したものです。
Q:自家製酒粕発酵種使用 プレーンベーグルは、いつ販売していますか?
A:発酵種の準備に10日ほどかかります。年に1~2度、火曜日に販売することがありました。ご希望があれば、日程を調整して製造いたしますので、その旨、おっしゃってください。
Q:ベーグルを冷凍保存すると、何となく縮むのですが、解凍すると元に戻ります。これって普通の現象なのでしょうか?
A:一般的かどうかは不明です。1事例ですが、参考資料があります。
特製焼き菓子 ナッちゃん
Q:この噛み応えのある食感は何?
A:ココナッツと考えています。
Q:グルテンフリーですか?
A:グルテンフリーではありません!
好んで使用しているライ麦粉が、「一部に小麦を含む」と表示しています。
粉麹
Q:どのような麹を扱っていますか?
A:とても珍しい粉麹を、2種類仕入販売しています。米麹と玄米麹を、それぞれ粉砕し粉状にしたものです。
Q:一般的な麹との違いを教えて下さい。
A:普通は米粒に麹菌がついたままなので、じっくり甘酒にでもしない限り、料理などでは米粒が邪魔になります。その点、パウダー状なので、料理などに使い勝手がよいのが一番の特徴です。乾燥状態なので、保存性がよいことも、私のお気に入りの理由になっています。
Q:使い方を教えて下さい。
A:本品と白米やお餅を使って、自家製の甘酒が作れます。また、私は賄い料理に生きた自然調味料として、カレー、肉・魚料理に使っています。特にカレーは、絶品です。発酵に半日~1日くらいの待ち時間が必要ですが、味変を楽しませてくれます。
お客様より、シチューに使ってみたら、とても美味しかったとのお話をいただきました。
ほか、健康維持・美容のために麹を飲用されている方も、沢山おられるようです。
※「麹あそび」のページを新設しました。
Q:麹は、プロバイオティクスですか?
A:麹は生きた状態で、腸に届くことは考えにくいです。最近の研究により、麹の菌体成分が重要な腸内細菌のエサとなり、健康維持に関る物質の産生を促すことが分かってきました。麹は、「プレバイオティクス」の一種と考えられます。
プロバイオティクス
Q:プロバイオティクスとは、何のことですか?
A:「腸内細菌のバランスを改善することによって、人などに役立つ働きをする生菌(乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌など)製剤や生菌を含む食品」のことです。
※プレバイオティクスは、「オリゴ糖や食物繊維など、腸内有用菌のエサとなり、その増殖を促し腸内環境を整える食品等」の総称。
Q:取り扱っているプロバイオティクス3種類は、どんな商品ですか?
A:ビオフェルミンS錠、ビオスリー(錠)、ミヤリサン(錠)です。食品ではなく、全て指定医薬部外品です。
※指定医薬部外品→医薬品取り扱いの規制緩和により、長年販売されてきた医薬品の中で、効果が緩やかな一部が指定され、医薬部外品に移行したものです。
Q:3種類のうち、どれが一番よいのですか?
A:お勧めできる特徴的な3商品です。腸内環境は、腸内細菌の多様性が大切とされますので、「一番よい」のを選定するのはとても難儀で、また意味がないかもしれません。それでも、自分に合う合わないがありますので、お試しになることで、ご自身に合う商品を見つけることができると思います。また、選択のお手伝いをさせていただいています。
「お取り寄せ」サービス
Q:電話での注文は、可能ですか?
A:電話でのご注文も承ります。電話に出れないことがありますので、ご不便をおかけしますこと、ご容赦ください。
070-8395-7850 へ
その他
Q:保健所の許認可をうけていますか?
A:奈良県中和保健所の指導、実地検査を受け、2021年9月に「菓子製造業」の許可をいただきました。カフェ営業は不可の許可です。
Q:付属施設としての柑橘園は、どういう開設意図があるのですか?
A:全くベーグルとは無縁のように、お感じになられることと思います。意図は、次の3つです。
幼少期の子供さん達に、柑橘類の葉っぱしか食さない青虫をリアルに観察できる機会を提供する。
将来的に、無農薬自家栽培で得られる柑橘の果皮等を使用して、柑橘系ベーグルを製造できる。
アゲハチョウが飛来し産卵後、ふ化した幼虫(1令幼虫)が、4回脱皮して青虫(5令幼虫)になると、とてつもない食欲で柑橘類の葉を食べます。その様子をじっと観察すると、やわらかい若葉でなくても音を立てて噛み進みます。青虫には、種(アゲハチョウ)の存続のために「頑丈なアゴと強い噛む力」が必要なのです。これは、われわれの食生活への、何らかの警鐘のメッセージとも思えます。よい食習慣を身に付ける大切な幼児期に、少しでも食育の参考エピソードとして、接していただければと考えています。
※当店ベーグルは、皮の厚みに特長のある噛み応えのある製造レシピになっています。
Q:ベーグル&プチラボ ナッツくん この店名の由来について、差支えのない範囲でよいので知りたい。
A:”ナッツくん”は、14歳で先に逝ってしまった愛犬の名前です。犬種は、ヨークシャテリアです。彼が10歳を迎えるころ、私はちょうど還暦前、老化と闘うアンチエイジングの友として過ごした心地よい日々を大切にしたい気持ちから、迷わずにこの相棒の名前を店名としました。
ベーグルに続く”プチラボ”は、「ささやかな研究所」の意味です。初歩的なレベルですが、発酵、微生物、腸内細菌、これらと健康との関りについて調査・整理し、興味深い知見は、新レシピ開発やお客様とのコミュニケーションに活用しています。
※毎月開催している”食と健康”を考える小講座『ナッツくんのプチ塾』にも反映
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