エコネット(「エコロジカル・ネットワーク」の略称)とは、野生生物が生息・生育する様々な空間(森林、農地、都市内緑地・水辺、河川、湿地等)がつながる、生態系のネットワーク(≒自然地のつながり)を指します。
関東地域では、コウノトリ・トキを指標(シンボル)とした、河川および周辺地域の水辺環境等の保全・再生に取組み、水と緑が豊かなエコロジカル・ネットワークの形成を進めています。
私たち人間は、河川から食料や水の供給を受けたり、森林による気候調節によって守られたりと、自然からさまざまな恵み(生態系サービス)を受けて生活しています。
この日々の豊かさや安全な暮らしに欠かせない生態系サービスを支えているのが「生物多様性」です。
生物多様性を守るには、広く、さまざまな場所で、自然環境を保全・再生していく必要があり、これを効果的に進めていくために、いまある自然拠点をつなげることが重要です。
自然拠点をむすぶだけでなく、拠点を大きくしたり、たくさんつくることが有効で、そのためには多くの人の力が必要です。
荒川流域エリアの自然拠点は、河川・水路・水田・森林・公園など多種多様で、関わる人もさまざまです。
そこで、自然のつながりを強くする「エコロジカル・ネットワーク形成」に向けて、エリア内の多様な地域関係者が連携・協力して取り組んでいます。
コウノトリは日本最大級の大型鳥類で、田んぼ・川・湿地や草原など、エサの多い環境を探して季節ごとに移動したり、高い木の上で子育てをするなど、生きていくためにさまざまな環境を必要とします。
コウノトリも暮らせる生きもの豊かな水辺環境を保つには、たくさんの魚やカエル類が成長して繁殖できるよう、川や湿地や田んぼなどが、四季を通じて、広い範囲でつながっていることが重要です。コウノトリを守ることは、さまざまなタイプの自然豊かな場所とそのつながりや広がりを守ること(エコロジカル・ネットワークの形成)といえます。