川崎瑛生

産業技術総合研究所計量標準総合センター物理計測標準研究部門時間標準研究グループ所属の主任研究員です。グループにはUTCに貢献する時計やYb、Srの光格子時計があります。私は光格子時計の精度向上や精密分光の基礎物理への応用を目的としたイッテルビウムの精密分光を行っています。

全般的な興味は原子物理の技術を用いた基礎物理の探求、よく言われる分野の名前でいえば精密測定にあります。この分野の研究の多くはイオンを含む原子や分子の精密分光によって行われます。精密分光の一番直接的な恩恵を受けるのは原子時計の精度です。加えて、このような精密分光は様々な基礎物理を指向した探索、例えば基礎物理定数の時間変化、パリティ、CPT、ローレンツ対称性の破れ、素粒子の電気双極子モーメント、暗黒物質、重力波の探索に応用されます。

現在、中性Yb原子の431 nm遷移の分光を行っています。この遷移は超軽量暗黒物質、微細構造定数の時間変化、電子と中性子の間に働く未知の相互作用などの探索に用いることができます。我々はこの遷移の観測、絶対周波数測定を世界で初めて行いました。最初に行われた測定の精度は8.2 kHzです。これに続いて行われた複数の同位体に対する絶対周波数測定のデータを用いて、イッテルビウム原子の原子核の荷電半径の差を求め、未知の相互作用の存在への制限をつけました。この測定精度を1 Hz未満に向上させることで最先端の分光と基礎物理の探索を行うことを目指します。(詳細は現在の研究非専門家向けの記事も参照)

ポスドクと大学院生のポジションがあります。詳細は川崎までお問い合わせください。

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最終更新日: 2024年6月12日