コーンスターチの市場規模、シェア、消費パターン、市場予測 2019～2032年

Fortune Business Insightsによると、世界のコーンスターチ市場は、食品、飲料、医薬品、工業用途における需要の加速に伴い、着実に成長を続けています。 2018年の 市場規模は157億3000万米ドルで、 2032年には491億7000万米ドルに達すると予測されており、年平均成長率8.55%で堅調に成長しています。北米は、豊富なトウモロコシ生産、スターチ系原料の広範な使用、そして米国全土における堅調な工業消費に支えられ、 2018年には47.93%の市場シェアで市場を支配しました。

コーンスターチが今なぜ重要なのか

コーンスターチは、基本的な原材料から、様々な分野で利用される高付加価値の機能性素材へと進化を遂げました。食品製造においては、増粘剤、安定化剤、結合剤、ゲル化剤、食感向上剤として重要な役割を果たしており、ソース、ベーカリー製品、スナック菓子、菓子類、調理済み食品などには欠かせない存在となっています。

クリーンラベル、オーガニック、植物由来の原料への需要の高まりも市場構造の変革を促しており、メーカーは天然由来および最小限の加工でんぷんのポートフォリオを拡大しています。コーンスターチは食品用途以外にも、医薬品、生分解性包装、製紙、繊維、接着剤、発酵プロセスに不可欠であり、消費者向けと産業向けのバリューチェーンの両方において基盤となる原材料となっています。

消費者が天然、アレルゲンフリー、持続可能な製品を優先する中、コーンスターチは、その汎用性、コスト効率、および世界中で入手可能な原材料供給により、依然として第一の選択肢となっています。

コーンスターチがすでにゲームを変えている

食品・飲料

コーンスターチは、食感を良くし、粘度を高め、原料を結合させ、乳化を安定化させるほか、高果糖コーンシロップなどの甘味料のベースとしても機能します。ベーカリー、スナック、菓子、RTE食品の成長が引き続き需要を牽引しています。

甘味料

世界のコーンスターチ消費の大部分は甘味料の生産に使用されています。甘味料は、価格の手頃さと飲料、ベーカリー、加工食品などへの大量使用に支えられ、種類別市場の50%以上を占めています。

クリーンラベルとオーガニック処方

イングレディオンやテイト・アンド・ライルなどのメーカーは、高まる健康志向の消費者の嗜好に応えるため、オーガニックでクリーンラベルのコーンスターチを発売している。

産業用途

コーンスターチは、ラテックスの製造、紙力増強剤、繊維の補強材、生分解性プラスチック、接着剤、発酵培地などに利用されています。その高い機能性と低コストから、世界中で工業用澱粉として好まれています。

情報源：  https://www.fortunebusinessinsights.com/jp/業界レポート/コーンスターチ市場-101093

大きな市場牽引要因と摩擦点

ドライバー

• インスタント食品の消費の急増: ソース、スープ、ベーカリー製品、スナック、インスタント食品の需要の増加により、デンプンの使用量が増加しています。

• 甘味料の成長: 甘味料誘導体は、世界の飲料業界および加工食品業界に牽引され、市場の半分以上を占めています。

• オーガニックおよびクリーンラベルの原料への移行: 消費者は、天然で追跡可能で、加工が最小限に抑えられた製品を好む傾向が高まっています。

• 産業拡大：医薬品、紙、繊維、生分解性材料、発酵プロセスでの使用が増加。

摩擦点

• 他のでんぷん（ジャガイモ、タピオカ、米）との競争により、一部の地域では成長が制限される可能性があります。

• トウモロコシの供給変動、気象現象、世界的な貿易摩擦によって引き起こされる商品価格の変動。

• 甘味料に関する健康上の認識は、特定の市場におけるトウモロコシ由来のシロップ、特にHFCSの需要に影響を及ぼす可能性があります。

誰が何を購入しているか - タイプとアプリケーションの傾向

タイプ別

• 甘味料– 最大のセグメント（2017年のシェア54%）。コスト効率が高く、飲料や食品加工に広く使用されています。

• 天然デンプン– ソース、ベーカリー、乳製品、および標準的な食品用途に使用されます。

• 加工デンプン– 安定性、耐寒性、粘度、保存期間の性能が向上し、RTE 食品や工業用配合物に使用されます。

アプリケーション別

• 食品・飲料– 最大のユーザーグループであり、2018 年に 40% 以上のシェアを占めました。

• 動物飼料– デンプン誘導体は消化性を高め、エネルギーが豊富な飼料成分として機能します。

• 紙と板紙– 強度、コーティング、製本、サイズ調整の用途に使用されます。

• その他– 医薬品、接着剤、繊維、発酵、生分解性ポリマー。

地域のスナップショット

北米 — 世界のリーダー

• 2018年に47.93%のシェアを保有。

• トウモロコシの供給が好調で、RTE 食品の需要が高まり、産業用途が拡大したことが要因です。

• 米国市場は2032年までに197億2000万米ドルに達すると予想されています。

アジア太平洋地域 — 最も急成長している市場

• ベーカリー、菓子、スナックの消費増加により成長が促進されました。

• 中国、インド、東南アジアの消費者は、パッケージ食品やインスタント食品に移行しつつあります。

欧州 — クリーンラベルとオーガニックの需要が高まる

• 成長は、天然、非遺伝子組み換え、オーガニック、クリーンラベルの原料の選好によって支えられています。

• メーカーは、規制された食品市場に対応するために機能性デンプンのポートフォリオを拡大しています。

ラテンアメリカおよび中東/アフリカ

• 加工食品、製紙、工業用デンプン用途での採用が増加しています。

• 都市化の進展と食品製造部門の拡大が長期的な成長を支えています。

競争と注目すべき動き

主要企業は生産能力の拡大、製品の機能性向上、クリーンラベルやオーガニックカテゴリーへの参入を進めています。主な企業は以下の通りです。

• イングレディオン株式会社

• テイト・アンド・ライル社

• カーギル株式会社

• AGRANA Beteiligungs AG

• アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社（ADM）

• グローバルバイオケムテクノロジーグループ

• テレオス・シラルSAS

• アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ

• ロケット・フレールSA

• 穀物加工会社（ケントコーポレーション）

最近の開発は次のとおりです。

• イングレディオン（2018）は、クリーンラベルポートフォリオの下で認証オーガニックコーンスターチを発売しました。

• Tate & Lyle (2017)は、天然製品の配合向けに CLARIA クリーンラベル コーンスターチを導入しました。

R&Dが大きな賭けをする場所

• クリーンラベルとオーガニックデンプン

• 工業用高性能加工デンプン

• 低糖・機能性甘味料

• 生分解性で堆肥化可能なデンプンベースの包装

• デンプン変換を促進する酵素技術

結論

コーンスターチは、食品、工業、クリーンラベル用途において、最も汎用性が高く、需要の高い機能性原料の一つです。インスタント食品、甘味料、オーガニック製品、生分解性素材の力強い成長により、市場は持続的な拡大が見込まれています。メーカーが機能性、天然、特殊澱粉の分野で革新を続けることで、コーンスターチは2032年まで世界の主要な原料であり続けるでしょう。