東京外国語大学
Tokyo University of Foreign Studies
School of Language and Culture Studies/ School of International and Area Studies/ School of Japan Studies
東京外国語大学を現役生チューターが解説!
こんにちは!東京外国語大学に在籍している国際社会学部ウルドゥー語専攻4年のH、言語文化学部ペルシア語専攻4年のK、言語文化学部チェコ語専攻3年のS、言語文化学部ロシア語専攻2年のS、国際社会学部朝鮮語専攻2年のTです。
このページでは、現役外大生の目線から東京外国語大学の魅力、大学生活などを、たっぷりお伝えします。
1. 東京外国語大学について!知っておきたい基礎知識
東京外国語大学とは?
まず、東京外国語大学とはどんな大学かについてご紹介します。
「外国語」と名前に入っていますが、言語だけでなくありとあらゆることを学べます。
言語文化学部、国際社会学部、国際日本学部の3学部あり、14地域28言語から専攻を選びます。
どこにあるの?
東京外国語大学の最寄り駅は多磨駅、飛田給駅。多磨駅からは歩いて5分、飛田給駅からは歩いて20分のところにキャンパスがあります。
言語文化学部と国際社会学部の違いは?
言語文化学部は3年次以降地域コース、超域コースの二つに分かれます。
地域コースのゼミでは専攻言語そのものについて研究をしたり(言語学)、専攻地域の文学、思想、宗教などについて研究をしたりします。
超域コースには言語学・言語情報処理学、言語教育学、通訳翻訳、文学・文化理論、人間科学の5つの学問分野にそれぞれ複数のゼミがあります。地域コースのゼミよりも様々な専攻語の人が集まり、研究テーマは必ずしも専攻語に関係するものではありません。
言語学・言語情報処理学・・・音声学、コーパス言語学など
言語教育学・・・外国語を学習する仕組みはどうなっているのか?どんな教材、指導が良いのか?といった疑問に迫ります。
通訳翻訳・・・外国文学の翻訳や日本に住んでいる外国人のためのコミュニティ通訳など、活動の場は様々。卒業論文ではなく卒業研究として翻訳を行う人もいます。
文学・文化理論・・・文学、思想、文化人類学、宗教学など
人間科学・・・心理学、スポーツ科学など
大雑把にまとめると、言葉や文化といった人文科学に深く関われる学部です。ほかの大学の文学部と近いといえるかもしれません。
国際社会学部は3年次以降地域社会研究コース、現代世界論コース、国際関係コースに分かれます。
地域社会研究コースでは、自分の専門地域(専攻地域と違っても可)に焦点を当て、その地域の社会、政治、経済などを深く研究します。
現代世界論コースでは、ジェンダー論や教育社会学、社会思想論を通し、現代社会に起こる多種多様な問題を研究します。
国際関係コースでは、政治学や法学、経済学、平和・紛争論など社会科学の諸分野の理論と実践を学べます。
ざっくり言えば、「社会のこと、経済のこと、法律のことなどなんでも学べる学部!」です!!
もし学部に迷ったら外大の公式ホームページで卒業論文の題目を公開しています。4年間の学びの集大成として、どんなことを論文にまとめるのかが分かると思うので、学部紹介とあわせて見てみてくださいね。
2. 現役外大生から見た東京外国語大学の魅力
ここからは、現役外大生が思う東京外国語大学の良いところを紹介していきます!!
①専攻語+αのことが学べる
英語や専攻語ばかり勉強していると思われがちですが、外大で学ぶことが出来るのはもちろんそれだけではありません!むしろ専攻語の学習にやや縛られることを除けば自然科学以外の分野であればかなり幅広く学ぶことが出来る場所だといえます。
特に1, 2年次は確かに専攻語の比重が高いですが、一方で学部ごとに多彩な学問分野の入門や概論の授業もあり、語学にとどまらず興味に応じて広く学ぶ環境が開かれています。
3年次以降は語学よりもゼミをはじめとした専門の学習に重きが置かれるようになり、それをさらに深めるためにこれまで学んできた言語も用いることができるのが理想とされます。
また、他学部の授業の履修が自由である点も外大の魅力の一つだと言えます。
②課外活動が特徴的
外大の魅力は授業のみではありません!部活動やサークル活動、学外の活動、そしてアルバイトまで、いろんな特色があります。
今回はその中でチューターの私たちが行ってきたものを中心に、いくつかを紹介したいと思います。
(1)外大らしさがあふれる部活動やサークル活動
外大にはフットサル部やオーケストラ部といった部活動はもちろんのこと、スペイン舞踊部やフィリピン民族舞踊部、ブラジル研究会など外大ならでは!と言えるようなサークル活動に参加することができます。
(2)外大での学びを生かした課外活動
言語や地域の知識を生かしてボランティアといった課外活動を行っている学生も数多くいます。
言語オリンピック日本代表のスタッフ、外国につながる子供たちのための学習支援ボランティア、児童館での通訳ボランティア、日本と専攻地域の交流イベント運営補助など、様々なところで活躍できます。
(3)外大生の強みが生きる!アルバイト
外大生の中には専攻語をアルバイトに生かしている人もいます。私(H)は専攻言語のウルドゥー語を使い、NHKのウルドゥー語ラジオでアルバイトをしていました。
③外語祭
外大の学園祭は他の大学と一味も二味も違います!キャンパスをぐるっと回るだけで、世界中の文化に触れられる、とてもユニークな学園祭です。なんと言っても目玉は、1年生による各専攻地域の「料理店」と、2年生による専攻語での劇「語劇」。外語祭に向けて、専攻地域の理解を深めつつ、春から準備を積み重ねます。
2020年度はオンライン開催となってしまいましたが、また外大のキャンパスでできるようになったら是非お越しください!
④留学しやすい環境が整っている
※現在はコロナウイルス感染症流行の為、全てのプログラムが中止されていて、オンライン留学プログラムが用意されています。
外大は「留学率200%」という目標を掲げています。(=1人2回の留学)
約65ヵ国・地域の169の教育機関と提携を結んでおり、様々なプログラムを選ぶことができます。
ショートビジット(短期留学)
外大は約2か月半に及ぶ夏学期・冬学期(通常の授業がない学期=長期休み)があり、その機会を利用し専攻語や英語、そのほか自分の興味のある言語を学びに各地へ留学する学生が数多くいます。
言語に関係する留学のみならず、スタディツアーというかたちで地域理解のツアーや国連研修プログラムに参加することができます。
長期留学
外大の70%近くの学生が2年次、3年次を中心に長期留学を行っています。外大と提携を結ぶ大学への交換留学だけでなく、外大を休学し自分で探した教育機関で学んだり、インターンシップ活動したりする人もいます。
3. 実際の外大生の1日
2020年度春学期は全てオンラインで授業を行いましたが、秋学期から1・2年生の専攻語の授業や3・4年生のゼミなどを中心に対面授業を再開しました。2021年度もオンライン授業と対面授業の両方を行う予定です。
ー時間割の紹介ー
○1年生の時間割(上左:国際社会学部朝鮮語専攻,上右:言語文化学部ロシア語専攻の場合)
1~2年生は専攻語の授業が週5であります。これに加えて「地域基礎」の授業で専攻地域に関する理解を深めていきます。
また、多くの1~2年生が履修する「GLIP」という英語の授業では、個人の英語力に合わせたクラスで英語の活用能力を磨いていきます。
GLIPのほかにも教養外国語と呼ばれる、他大学で言うところの第二外国語にあたる言語の授業でも言語の単位を満たすことができます。選択できるのは中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、アラビア語です。
さらに、学部開講の入門や概論の授業で各分野を専門的に学ぶための素養も身に着けていきます。
○3年生の時間割(下:国際社会学部ウルドゥー語専攻の場合)
3年生以降はゼミに所属するようになり、より自分の興味を深めていける時間割を組むようになります。国際社会学部の場合、専攻語は必修ではなくなります。専攻語を学び続ける人もいれば、言語科目の必要単位を専攻語とは違う言語でカバーする人もいます。
Q. オンラインの語学の授業ってどんな感じ?
A. 授業の進め方自体は対面のときとさほど変わりませんでした。テキストをもとにペアやグループワークをしたり、ときにはプレゼンをしたりとクラスメイトとの交流の時間もありました。オンラインならではだと感じたのは、対面のときよりも気軽に動画や画像資料を見られたことです。
Q. 具体的に専攻語の授業で何をやるの?
A. 週5コマの授業は文法、読解、会話などに分かれています。進む速さは専攻語によりまちまちで、一通りの文法を終えるのに半年ほどの専攻語もあれば一年生の間に終わらない専攻語もあります。読解の授業で使うテキストは専攻語によって新聞記事や文学作品など様々です。
4. 現地に行けない!外大生は何してる?
コロナの影響で留学ができない状況が続いていますが、外大生はそれでも専攻地域についての学びを深めています。
①日本語で読む世界のメディア
専攻地域の新聞社のオンライン記事を学生が翻訳し、一般公開しています。一部の専攻語で、以前から授業の一環として行われていました。留学に行けなくなった今、現地の声に触れる貴重な機会となっています。
②日本から自分の専攻地域を学ぶ!
オンラインの強みを生かして外大での学びを実践に移している学生もたくさんいます。例えば、外大の留学生に向けてオンラインツアーや交流会を設け、そこで学びを実践に移す人もいます。また現地でのフィールドワークの代わりに、オンラインで国内外の様々な人に話を聞くことで調査や研究を進める人もいます。
③映画や文学作品にたくさん触れる
映画や文学作品も日本にいながら専攻地域の文化を知るツールのひとつです。ちなみに外大の図書館では外国語の本や専攻地域に関わる本も豊富に取り揃えられています。
5. 外大生のかばんの中身!
○辞書・語学書
外大生の毎日に欠かせないのが辞書。1・2年生の時は毎日専攻語の授業があるので、辞書とあわせて文法書もかばんに入れ、他の授業の教科書も入れ・・・となると、かばんはパンパンです。
マイナー言語を専攻する場合、紙の辞書を使うことになります(中には日本語対応の辞書が出版されておらず英語の辞書しかないことも・・・)。新聞記事や文学作品を読むときに、手持ちの辞書に知りたい単語が載っていなければ、オンラインの専攻語版国語辞典(英語でいう英英辞典)を使うこともあります。でもやはり紙の辞書はボロボロになるまでたくさん引きます。
○パソコン
キーボードの上に専攻語入力モード用のシールを貼って、専攻語でも資料を作れるようにしている人も。特に2020年度はオンライン授業だったので、専攻語でタイピングすることも普段より多く、少し大変でした…。
6. 専攻語・専攻地域どう決める?
外大では在学中に学部は変えられますが、専攻語を変えることはできません。週に5コマ学ぶ言語、4年間の学びに強く関わるものだからこそ、是非受験前にじっくり考えてみてください。
<私たちが志望言語を決めた理由>
・言語学、特にロシア語を中心としたスラヴ諸語の研究に関心があった
・ロシアという地域の影響力や日本との関係に興味があった
・アラビア文字を読めるようになりたかった
・高校生の時よくニュースでみた中東地域についてもっと知りたい、暮らす人と実際に話してみたいと思った
・世界史の資料集に載っているモスクを自分の目で見たいと思った
研究を見据えた理由から文字に惹かれたといった単純な理由まで、様々です。
いかがでしたか?
東京外国語大学についてもっと知りたい、志望言語・地域についてもっと知りたいなど、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
皆さんと一緒に勉強できるのをチューター一同楽しみにしております!
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