国際基督教大学 教養学部アーツサイエンス学科

International Christian University of Liberal Arts Division of Arts and Science  

ICUを現役生チューターが解説!

こんにちは!国際基督教大学に在籍し、渋谷校でチューターをしていた卒業生の平田です。

今回は、現役生の目線から国際基督教大学(ICU)の特徴や裏話をご紹介します!

1.ICUってどんなとこ?基本情報!

ICUとは?

International Christian Universityの頭文字をとって「ICU」と呼んでいます(集中治療室ではないですからね!!笑)。

JR中央線武蔵境駅からバスで約15分のところにあります。多くの人は自転車で通学し、校内も自転車移動をすることが多いです。ちなみに徒歩だと30分以上かかります…

東京ドーム約13個分もあるキャンパスは「三鷹の森」と呼ばれるほど緑が生い茂っており、四季折々の景色が楽しめます。


教養学部・アーツサイエンス学科って何?

「教養は聞いたことあるけど、アーツサイエンスって何?」「専攻は何になるの?」と思う方が多いのではないでしょうか。

教養学部では入学当初に専攻を決めず、最初の2年間は一般教養科目や基礎科目を通して自身の専門領域以外のことも学び、後に専門分野にも使用できる応用力や考える力を身につけます。3年次で専攻を決めて専門的に深く学びはじめます。


一般教養科目は、キリスト教概論・人文科学系・社会科学系・自然科学系の4つに分けることが出来ます。人文科学系では、哲学や文学、音楽や美術から人々の考えやあり方を考え、社会科学では経済や宗教、メディアなどの授業から社会のシステムについて学び、数学や物理、プログラミングを通して数理的な現象について学びます。

アーツサイエンスについては、ホームページやパンフレットには明確な記載がないので個人的な考えになってしまうのですが、アーツ(人文社会)とサイエンス(自然科学)のどちらの知識についても学び、人として成長することだと考えています。ICUでは、専門分野以外についても広く学ぶことが重要視されています。広く学ぶことは想像力や批判的思考力の発達につながり、それが人として成長し、社会を変える力になると考えています。


授業は全部英語?!

大学名に「国際」がつくぐらいだから、授業は全部英語なんじゃないの?!いやいや、そんなことありません。日本語の授業もあります。ICUの公用語は、英語と日本語で、どちらの言語でも学ぶことが大切になっています。授業だけでなく、構内の展示物やサークルなどでも日英両言語の使用が原則となっています。

もちろん、英語開講の授業はあります。英語が苦手でも安心してください。1年生のときには「ELA」と呼ばれる英語プログラムがあり、習熟度に応じてクラスが分かれています。授業内では4技能をフル活用して毎学期テーマに沿った1本のリサーチペーパーを完成させます。この1年があることで、2年生以降の英語の授業で聞き取れない・論文が読めない・レポートがかけないということはなくなると思います。


2.現役ICU生から見た魅力

・キャンパスの広大さ

 冒頭にも書いたようにICUは東京ドーム約13個分もの広さがあるんです。そんな広大なキャンパスには伝統的な建造物があったり、普通は見られない動物が棲みついていたりと他の大学では見られない景色が多くあります!本館の前には、バカ山とあほ山がある広々とした空間があるので、晴れた日には青空教室が行われていたり、昼ごはんを外で食べたりととても開放的な場所です!

皆さんはICUの前身は何だったか知っていますか?実は、第二次世界大戦終戦まで旧中島飛行機三鷹研究所の敷地だったんです!昔は日本軍機の本体や部品の製造、組み立てが行われていた場所でした。現在でも、正門や教会まで続くマクリーン通り(通称、滑走路)などの遺構は残っています。

そして、そんな広いICUの構内には9つの寮と教員宅もあるんです!寮は、地方から来た人、留学生、海外からの帰国生など様々なバックグラウンドを持った人と交流できる場所です。寮生限定のイベントがあったり、みんなと夜遅くまで勉強したりと、とても楽しい大学生活が送れると思います。また、教員宅もあるので教授の家にお邪魔できる機会があるかもしれません。教授宅で座談会などの大学公式イベントもあり、教授と距離が近くなれるのもICUの魅力です。


・様々な分野が学べるメジャー制

ICUのホームページやパンフレットを見ると、「メジャー」と当たり前のように書いてありますが、そもそもメジャーとは何ぞや!という人もいるかと思います。メジャーとは専攻科目のことで、他大学では〇〇学科と表すことが多いです。そのメジャーが31も存在し、様々な学問を組み合わせて学ぶことが出来ます。

また、メジャーの選択方法は3つあり、メジャーを1つ選ぶ「シングルメジャー」、2つ選ぶ「ダブルメジャー」、比率を変えて2つ学ぶ「メジャーマイナー」があります。 例えば、私の場合メジャーを教育学にして、マイナーを言語教育学にしていますが、履修した授業の中身を見てみると心理学や社会学、メディア・コミュニケーション・文化、開発研究や環境研究など横断的に授業を取っています。私のように様々なことに好奇心があり、1つに決められない!いろんなことを学んでみたい!という人には最適な環境ですし、もう既に学びたいことが決まっている人でも複眼的な視点を持ってその学問を学ぶきっかけになると思います!


・英語と日本語が飛び交う国際性

 基本情報でも述べたようにICUでは日本語と英語の2言語が公用語になっています。そのため、授業は日本語と英語のものがあり、生徒同士または教員との会話はどちらかの言語を使ったり、どちらの言語もミックスさせて使ったりしています!特に1年生のときは毎日何時間も英語漬けなので、日本人同士でも英語で話したり、英語が出てこないと日本語で、日本語が出てこないと英語で話したりしていました(笑)最初は、海外かぶれ!?なんて思ってましたが、仕方ないのです!!脳が英語で侵食されてしまっているんです!!!

また、英語だけではなく他言語にも力を入れています。言語の授業は約11種類あり、中国語・韓国語・スペイン語・フランス語・イタリア語・ラテン語・ギリシャ語・インドネシア語・アラビア語・ドイツ語・ロシア語・手話など初級から上級まで学べるものもあります。さらに東京外国語大学との提携プログラムを利用すれば、より多くの言語が学べるのも特徴です。


・学習プログラムの多様性

Last but not leastの特徴は、様々な体験型プログラムです!他大学には、留学必須というプログラムがありますが、ICUには強制のプログラムは無く、選択肢の中から自分で参加したいものを選びます。もちろん何にも参加しない人も多くいますし、ごくわずかですが、ほぼ全てを網羅する強者もいます。本当に尊敬します…

では、どんなプログラムがあるのか。まずは英語のプログラムを見てみると…

・1年生:英語海外研修(SEAプログラム)(アメリカ、カナダ、ヨーロッパにある提携大学に6週間滞在)

・2年生:サービスラーニング(アジアやアフリカの提携大学や機関のプログラムに参加し、奉仕活動を1ヶ月間行う)

  海外フランス語研修(4週間)

                  海外日本語研修(3週間)

・3年生:交換留学/海外留学

そのほかに免許や資格を取るための学芸員課程・中高教職課程・日本語教員課程があります。

そして、個人的にユニークだと思うのが学士・修士5年プログラム(通称、5プロ)です。通常、学部4年・大学院2年で学士と修士の学位を取りますが、5プロの場合はそれを5年で取得します!大学にも入学していないのに、大学院のことなんで考えられない!という方でもICUを検討する一つの要素にしてみてください!

下の写真は、私が2019年の夏にタイにサービスラーニングに行ったとき写真です!日本語専攻の高校生に日本語の授業をしたり、福祉施設で他の国の人たちとボランティアをしたりとても楽しかったです。一部ホームステイだったのでタイの文化を身近に触れることが出来ました!

3.ICU生の1日を紹介!

課題が多く多忙だといわれているICU…実際はどうなのか、実際の履修と一緒にぶっちゃけます!
ICUの授業の特色は2つあります。
1つ目は、3学期制だということ。一般的には、前期・後期と分かれていますが、ICUは1学期10週間の3学期制で、夏休みは6月末から、春休みは3月上旬からと他大学とはスケジュールが全く違います。
2つ目は1コマが70分授業だということです。他大学では、90分から100分という長い講義が見られますが、ICUでは70分なので集中力が持続します。しかし、5限・6限・7限が連続している授業(通称、ゴロチ)はなんと驚異の210分という長さです…休憩が入るので、ぶっ通しということはほぼないですが、始まったときには明るかった外も終わる頃には真っ暗で少し疲れます…(教授も疲れてるはず…)

1年1学期

緑色の部分が必修科目のELA、ピンクが一般教養科目(general)、水色が体育です。

1年生の頃はELAの授業がメインになります。私は比較的ELA以外の授業のコマ数が少なかったので、余裕を持って取り組めました!

この頃は週1回のアルバイト、週3-4回のサークルがありました。

2年1学期

2年生になるとELAがなくなり、メジャー選択に向けた履修が本格化します。緑色はメジャー取得用授業(foundation)、オレンジはメジャーマイナー以外の授業(electives)です。

この頃は午後に授業が多くあったので午前中を有効活用しようと、バイトを2つ掛け持ちして、週3回バイトを入れていました。

3年1学期(オンライン)

3年次には、既にメジャーマイナーを決めていたので卒業要件を満たす為のelectivesやメジャーマイナーの授業(area majors)を取りました。

2020年度1学期は全てオンライン授業で受講しました。ICUは、通常日程から後れを取ることなく4月7日から授業を開始しました。全教員生徒にzoomのライセンスを付与したり、定期的なオンライン授業に対してのアンケートを集めたりと大学側が以前と変わらないクオリティーの授業を提供しようとしていることがよくわかりました。

人によって授業の取り方は様々なのですが、私のように13-15単位ずつとっていると卒業単位を4年で満たすことが出来ました。

自分のキャパシティー次第でバイトやサークルの掛け持ちは出来ます。確かに課題は多く、徹夜することもありますが、それはどこの大学にいっても似たようなことがあると思います。ICU生はオンとオフの切り替えが出来るまじめな人が多いです。勉強も遊びも本気で取り組みます。3日もあれば、ヒッチハイクや海外旅行に行ってしまうくらいフットワークが軽い人がいたり、ドMなの?!と思うくらいに授業や予定を詰め込む人がいたりとユニークな人がとても多いです。そんな人たちと悲鳴をあげながら大量の課題をこなすのは案外楽しく、それも思い出です(笑)

ICUに少しでも興味のある方、ICUへの入学を希望されている方、また英語に力を入れたい方など、ぜひお気軽にお問合せください!

講師の先生方、カウンセラーとともに、私たちチューターも全力でバックアップさせて頂きます。