第4回 それでもカーボンニュートラル

“春や秋が短くなった”、“100年に一度の洪水が毎年どこかで起きている”、“台風が巨大化している”等々、異常気象が常態化している、そう思う方も多いでしょう。これらの現象の元凶は地球温暖化にあると考えられています。この温暖化を阻止するために、昨年開催されたCOP26(※1)では『1.5℃目標』(※2)が明記され、温室効果ガスの削減が待ったなしとなりました。SDGsの普及も相まってCO2削減は正義となった観があります。でも、良く考えると温室効果ガス=CO2ではない上、地球温暖化との関係も解明はされていません。さらに、国際政治や規制ビジネス等の影が見え隠れすることも否めません。しかしながら、今までと異なる点は、解明まで待っていては手遅れになる(であろう)ことです。様々な事実や研究に基づく検討を踏まえた上で、それでもカーボンニュートラルを推進すべきであると考えます。何ができるか深く考え、地道に実行しなければならない、まさに『建学の精神』(※3)が問われているように感じます。

<注釈>

※1 COP26…国連気候変動枠組条約第26回締約国会議

※2 1.5℃目標…COP26で採択した合意文書には、世界の気温上昇を産業革命前に比べて「1.5℃に抑える努力を追求する」ことが盛り込まれた。

※3 東洋大学の建学の精神…「諸学の基礎は哲学にあり」「独立自活」「知徳兼全

\この記事を書いた人/

副学長 川口英夫

公開日:2022年5月1日