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特別展「哲学館人物伝 能海寛 ─見果てぬチベット─」

井上円了生誕160年・能海寛生誕150年

特別展

「哲学館人物伝 能海寛 ─見果てぬチベット─」

「諸学の基礎は哲学にあり」という理念のもと、東洋大学の前身・哲学館が創立されたのは、明治20年(1887)のことです。創立者・井上円了は、現在の新潟県長岡市にある真宗大谷派寺院の出身で、京都・東本願寺の国内留学生として東京大学で哲学を学び、大学卒業後に発表した『仏教活論序論』などの著書で、日本の仏教界ではよく知られた存在でした。また、円了は、哲学館の教育趣旨のひとつとして、哲学諸科の教授による教育家・宗教家の育成を掲げたことから、この学校で多くの仏教者たちが学び、巣立っていきました。 

本展で紹介する能海寛(のうみ・ゆたか、石峰)も、そのひとりです。
能海は、円了の誕生から10年後の明治元年5月18日、現在の島根県浜田市金城町長田の真宗大谷派寺院・浄蓮寺に生まれました。11歳のとき東本願寺で得度した後、西本願寺普通教校(後に仏教大学を経て龍谷大学)、慶應義塾(現在の慶應義塾大学)を経て、明治24年1月から哲学館に館内員(通学生)として2年半在籍しました。明治26年、哲学館での全課程を修了した能海は、いったん郷里に戻りますが、同年には著書『世界に於ける仏教徒』を世に送り出します。同書において、世界宗教としての仏教の再興と、そのためにチベット仏教の研究が必要であることを訴えた能海は、明治31年11月、海を渡り、チベットへの冒険旅行に挑みます。しかし、同34年4月、恩師・南条文雄に宛てた書簡を最後に、消息を絶ってしまいます。
本年は円了の生誕160周年にして、能海の生誕150周年の節目にあたります。このことから、哲学館で学び、仏教の研究と発展に尽くした能海の業績をふり返り、顕彰するため、本学において能海寛生誕150年記念事業の実施委員会を立ち上げ、シンポジウムなどの記念行事を実施する運びとなりました。本展も、この事業の一環として開催するものであり、哲学館時代を中心に、能海の波乱に満ちた生涯とその業績について展示します

会期

2018年10月15日(月)~12月14日(金)

協力

天頂山浄蓮寺
浜田市金城歴史民俗資料館

主催

能海寛生誕150年記念事業実施委員会
東洋大学アジア文化研究所
東洋大学井上円了記念博物館

会場

東洋大学井上円了記念博物館 展示室
〒112-8606 東京都文京区白山五丁目28番20号
東洋大学白山キャンパス5号館1階
TEL.03-3945-8764(博物館直通)
*電話は担当者不在等により、つながらない場合もあります。

開館時間

月曜日~金曜日 9時30分~16時45分
土曜日 9時30分~12時45分

会期中の休館日

日曜、11/2(金)~5(月)、11/23(金・祝)
*10/28(日)は開館します。
*詳しくは、Webページの開館カレンダー(開館状況)をご覧下さい。

関連イベント(能海寛生誕150年記念事業)

○ 能海寛生誕150年記念シンポジウム「新仏教徒 能海寛」
日時:2018年10月20日(土) 13時00分~17時00分
会場:東洋大学 白山キャンパス スカイホール(2号館16階)
主催:東洋大学アジア文化研究所、能海寛生誕150年記念事業実施委員会
共催:東洋大学井上円了記念博物館
http://www.toyo.ac.jp/News/Research/labo-center/acri/noumi

○ 展示解説
日時:2018年10月20日(土) 11時00分~
会場:東洋大学井上円了記念博物館展示室

入館料

無料

中国僧姿の能海寛(チベット探検の途上 中国・重慶の日本領事館にて)

明治32年(1899)3月23日撮影  浜田市金城歴史民俗資料館提供 

能海寛筆 「Wisdom and Mercy Vol.1 No.1」

明治23年(1890)1月31日  浜田市指定文化財

天頂山浄蓮寺蔵(浜田市金城歴史民俗資料館寄託) 

能海寛筆 「井上円了君」スケッチ(哲学館在学中のノート)

明治25年(1892)  浜田市指定文化財

天頂山浄蓮寺蔵(浜田市金城歴史民俗資料館寄託) 

哲学館講師称号 贈与証書

明治36年(1863)9月16日  浜田市指定文化財

天頂山浄蓮寺蔵(浜田市金城歴史民俗資料館寄託) 

能海寛追悼会編、福田眉仙装画 『能海寛遺稿』
大正6年(1917)4月30日発行
東洋大学附属図書館所蔵

>>  チラシはこちらから