「校長先生に褒められたから、また親切をしたい。」という発言をする子がいた
小学校5年
教材名:くずれ落ちたダンボール箱
内容項目:B 親切、思いやり
ねらい:思いやりの心を持ち、相手の立場に立って親切にしようとする態度を育てる。
授業の流れ
展開前段の発問
①困っているおばあさんを見て、わたしは、どんなことを考えたか。
②店の人に叱られて、わたしは、どんな気持ちになったか。(中心発問)
③おばあさんにお礼を言われたとき、わたしは、どんな気持ちだったか。
④校長先生に褒められたとき、わたしの胸の中はどんなか。
うまくいかなかった点
「校長先生に褒められたから、また親切をしたい。」というような流れにしたくはなかったのですが、そのような発言をする子が数人いたので、どうまとめたらよいか困りました。
アツコにお任せ!
「校長先生に褒められたから、また親切をしたい」という子どもたちの考えは、授業でもよく見られるものだと思います。本教材の終盤には、校長先生が「本校にこんなりっぱな人がいます。わたしはほんとうにうれしく思います。…」と全校朝会でわたしたち二人を褒める場面があるので、このような反応は自然なものだとも思います。ただ本教材は小学校高学年の教材なので、やはり親切の意義や動機を「褒められるから」だけで終わらせないようにしたいものです。
そこで「褒められたから、また親切をしたい」のような考えに対しては、「校長先生はどういうところがりっぱだと思って二人を褒めたのでしょうか」や「もしお手紙が来ずに、校長先生が朝会で褒めてくださらなかったら、わたしたちのしたことは意味のないことだったのでしょうか」などの問い返しをして、「親切の難しさ」や「親切の大切さ」について、さらに深く考えるようにしてみてはいかがでしょう。
そして、まとめでは、この授業で「親切」について考えたこと、授業から学んだことなどを自由に交流させるとよいのではないでしょうか。「親切って難しい」「親切にしても褒められなかったら、できるかどうか分からない」などの意見が出ても、それも子どもたちの実態です。本時1時間だけで親切について学ぶわけではないので、「これからも一緒に親切について考えていきましょう」という姿勢を大切にしたまとめをされるとよいと思います。
point ---------
校長先生がほめた理由などを問い返して、さらに深く考える。
「親切について考える」という姿勢を大切にする。