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板書例_まんがに命を~手塚治虫 日本のテレビアニメの生みの親_小学6年

まんがに命を~手塚治虫 日本のテレビアニメの生みの親(小学6年)

教材名:まんがに命を~手塚治虫 日本のテレビアニメの生みの親

内容項目:A 真理の探究

ねらい:手塚治虫が人生の中で大切にしたことについて考え、話し合うことを通して、真理を求めて物事に向き合い、探究心を育て、自己のよりよい成長を目指して突き進むことの大切さを理解し、日々の生活を充実させていこうとする態度を養う。

展開例

(〇:主な学習活動 ・:予想される児童の反応 □:教師のかかわり)


●導入

事前アンケートの結果を見て、問題意識を高める。

「これまでにどうせ無理だと思ったことはありますか?」 

 ・ある(頑張っても届かないと思ったから 等)

 ・ない(やればできるかもしれないから 等)

 □本音で語り合うために、どちらの意見も理解できるという姿勢で臨ませたい。そのため必要に応じて問い返しを行う。

 □どうせ無理とは探究をやめてしまうことであるというように、言語解釈を統一しておく。

「そうやって探究をやめてしまった自分に、みんなは満足していますか?」


●展開前段

 教材の範読を聞き、手塚治虫の人物像について交流する。

 「手塚治虫さんのことをどのような人だと思いましたか?」

  賞賛(すごい!)

  ・諦めない姿勢がすごい

  批判(う~ん…)

  ・泊まり込みの作業が続くのは大変そうだな

  □視点を明確にすることでねらいに焦点化していきたい。

  □今回は「賞賛」「批判」の面から人物像の分析を行うことで、中心発問について広く考えられる素地を養いたい。

 手塚治虫が探究を続けられた理由に迫る。

 「手塚治虫さんの心に“どうせ無理だ”はなかったのかな?」

  ・なかった(最初から諦めてはだめだから、工夫すればできそうだったから 等)

  ・あった(でも、子どもたちが喜んでくれることを考えて乗り越えたと思う 等)

  □「なぜなかったと思うのか」「あったのになぜ続けたのか」という問い返しを行うことで、手塚氏の原動力になったものについて考えを深める。

 探究を続けることの困難さについて考える。

 「やり続けるって、本当にできるのかな?」

  ・睡眠時間を削ってまではできないな

  ・そんなにたくさん描き続けるのは大変そうだな

  □手塚氏の代表的なエピソードを紹介し、決して簡単な挑戦ではなかったことを確認しておく。


●展開後段

 何かに挑戦するときに大事なことについて考える。

  キーワード「諦めない」「夢」「目標」「努力」「希望」「探究心」「やり続けることが大事」など

  ・諦めてしまうと自分の成長につながらない

  ・夢や目標が自分を育ててくれる

  □自分の考えをうまく表現できない児童もいることが予想されるため、まずは交流を通してキーワード化し、そのあと理由について考える。


●終末

 教師の説話を行う。

  □1週間後に控えた卒業式、そして中学校入学への応援メッセージとなるような説話にしたい。

ワンポイントアドバイス等

・まず、導入で事前に行った「これまでに、どうせ無理だと思ったことはあるか?」というアンケート結果を提示し、その理由について交流を行う。「どうせ無理」という言葉のイメージは12歳の児童にとって決して良いものではないだろう。しかし、誰もがそのような気持ちを抱くことがあるという人間理解としての側面に触れ、本時では「それをどのように乗り越えていくか」ということについて本音で向き合わせたい。

・また、展開前段で「手塚治虫さんの心に“どうせ無理だ”はなかったのかな?」という中心発問を行う。実際に夢を叶えた事実から「なかった」と考える児童が多いことが予想されるが、「あったけど〇〇で乗り越えた」と考える児童もいるのではないだろうか。この2つの考えを交流させることで、手塚氏が特別な存在であるという段階から「自分のこれからの人生に生かせることはないか?」という次の段階へと導いていける。また「本当にやり続けることはできるのか?」という揺さぶりの発問をすることで、さらに自分事・現実的な事として捉えさせ、展開後段につなげていく。