教材名:じぶんでオッケー
内容項目:A 節度、節制
ねらい:健康や安全に気をつけて、身のまわりの整理整頓を行うことの気持ちよさを感じ、自分でできることは自分でしようとする態度を育てる。
教材の活用方法
4月は2年生になった子供たちがやる気いっぱいの時期である。しかし、5月の連休を過ぎると、頑張りすぎていた子供たちには少し疲れが見られるようになる。そこで、本教材では、改めて4月の「頑張りたい」という気持ちを思い出し、持続させることとともに、目標をもって1年間を過ごすことができるように自分を見つめ、「自分ができるようになりたいことってなにかな。」と向き合うことで、「できるようになる」の幅を広げていくことを目的とした。なお、目標は更新オッケーとすることで、子供たちが「小さなできる」を自分自身で自覚しながら進んでいけると思う。その第一歩をこの教材から踏み出すことができたとともに、みんなで励まし合いながら行うことの大切さも感じることができた。
展開例
この教材を通して、自分で目標を決めて「自分でできることを自分でしよう」という気持ちを高めるとともに、仲間から応援メッセージをもらって、みんなも頑張るんだなという思いを実感する時間になるように設定した。教材自体は理解しやすいので、お話から感じたことを自分事にする時間を多く設定した。
●導入
2年生のあいだにできるようになりたいことはなに?
→初めは一輪車、飛び箱など、成果のわかりやすいものが出ていた。
*できない→できるというイメージが強いことが分かった。
*苦手克服についても出た。
日常的に頑張ることについては、まだまだ考えの浅さがあったので、少しゆっくりめに範読をした。
「範読」では記号をつけながら読む。
◎ =同じ気持ち(共感)
〇 =いいなぁ。すてきだなぁ。
△ =あかんやん。だめやん。
□ =わからないな。どうして?
「◎」と「△」は客観的視点。「〇」と「□」は主観的視点。これらを働かせながらお話を読む。
●展開
このお話のどんなところが気になった? 心に残った?
→自分で決めてやっているのがすごい!!
→忘れ物のこととか整理整頓のこととか、生活に関係あることだから毎日頑張ることだな!!
*初めの考えとのズレに気づく子供たちが出てきた。
じぶんで決めてがんばるって難しくない?
→難しい。
→なにを頑張ればいいかわからないときがある。
→やる気はあっても続けられるか心配。
→「みんなもいっしょに頑張ろう。」とか先生に言われたから、そういうのも頑張る力になると思う。
*それぞれ自分で決めて、実践することに対する不安な声が聞こえてきた。
2年生のあいだにできるようになりたいこと、「じぶんでオッケー。」って言えるものを探してみようか。そして、みんなで応援し合おう!!
→みんなと一緒ならできそう。
*自分で目標を持つ時間を設定。
*応援メッセージを書いてもらう時間を設定。(おおよそ15分程度)
●終末
ふりかえりを書く
〇今決めたことをこれから頑張るために大切なことってなにかな。
この授業を通して
やる気を引き出し、授業の中で「自分で決める」時間をとることで、授業の中に閉じた学びではなくなる。このワークシートは掲示し、いつでも見られるようにした。また、1学期の終わりに振り返ることも伝えている。道徳科の授業を道徳教育にしていくことで子供たちの価値観は磨かれ、さらに考えが広がっていくと思う。「態度を育む」や「心情を育む」等は授業の中だけで見られないことも多い。継続的に教師が見守っていくことも必要だと考える。